電子書籍

目の見えない白鳥さんとアートを見にいく

川内有緒

¥2,100(本体)+税   
発売日:2021年09月03日

【2022年 Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞 受賞作】

見えない人と見るからこそ、見えてくる!
全盲の白鳥建二さんとアート作品を鑑賞することにより、
浮かびあがってくる社会や人間の真実、アートの力。

「白鳥さんと作品を見るとほんとに楽しいよ!」
友人マイティの一言で、「全盲の美術鑑賞者」とアートを巡るというユニークな旅が始まった。白鳥さんや友人たちと絵画や仏像、現代美術を前に会話をしていると、新しい世界の扉がどんどん開き、それまで見えていなかったことが見えてきた。

視覚や記憶の不思議、アートの意味、生きること、障害を持つこと、一緒にいること。
そこに白鳥さんの人生、美術鑑賞をする理由などが織り込まれ、壮大で温かい人間の物語が紡がれていく。
見えない人とアートを見る旅は私たちをどこに連れていってくれるのか。

軽やかで明るい筆致の文章で、美術館めぐりの追体験を楽しみながら、社会を考え、人間を考え、自分自身を見つめ直すことができる、まったく新しいノンフィクション!

岸田奈美さん(作家)推薦
「誰かとわかりあえない寂しさを、幸福な余白に変えてくれる本でした」


商品情報

書名(カナ)メノミエナイシラトリサントアートヲミニイク
判型四六判
装丁佐藤亜沙美(サトウサンカイ) 装画:朝野ペコ
ページ数336ページ
ジャンルノンフィクション
ISBN978-4-7976-7399-9
Cコード0095
刷数第9刷

著者略歴

川内有緒(かわうち・ありお)

ノンフィクション作家。1972年東京都生まれ。
映画監督を目指して日本大学芸術学部へ進学したものの、あっさりとその道を断念。
行き当たりばったりに渡米したあと、中南米のカルチャーに魅せられ、米国ジョージタウン大学で中南米地域研究学修士号を取得。米国企業、日本のシンクタンク、仏のユネスコ本部などに勤務し、国際協力分野で12年間働く。2010年以降は東京を拠点に評伝、旅行記、エッセイなどの執筆を行う。
『バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌』(幻冬舎)で、新田次郎文学賞、『空をゆく巨人』(集英社)で開高健ノンフィクション賞を受賞。 著書に『パリでメシを食う。』『パリの国連で夢を食う。』(以上幻冬舎文庫)、『晴れたら空に骨まいて』(講談社文庫)、『バウルを探して〈完全版〉』(三輪舎)など。
白鳥建二さんを追ったドキュメンタリー映画『白い鳥』の共同監督。 
現在は子育てをしながら、執筆や旅を続け、小さなギャラリー「山小屋」(東京・恵比寿)を家族で運営する。 趣味は美術鑑賞とD.I.Y。「生まれ変わったら冒険家になりたい」が口癖。
(写真撮影:市川勝弘)

目次

はじめに
第1章 そこに美術館があったから
第2章 マッサージ屋とレオナルド・ダ・ヴィンチ の意外な共通点
第3章 宇宙の星だって抗えないもの
第4章 ビルと飛行機、どこでもない風景
第5章 湖に見える原っぱってなんだ
第6章 鬼の目に涙は光る
第7章 荒野をゆく人々
第8章 読み返すことのない日記
第9章 みんなどこへ行った?
第10章 自宅発、オルセー美術館ゆき
第11章 ただ夢を見るために
第12章 白い鳥がいる湖
エピローグ

関連動画

『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』紹介動画

担当編集者より

「書けました〜‼︎」光が弾けるような、きらきらした声で、川内有緒さんは、執筆のため自ら缶詰になった(川内さんいわく「セルフ缶詰」。すみません!出版社が負担できなくて)旅館からほど近い、茅ヶ崎の海岸からご連絡くださいました。
この名作(と言い切ってしまいます!)が完成した瞬間です。
なぜそんな喜びあふれる声になったのか、本書を読んでいただければ、おわかりになると思います。

川内さんの文章は、とにかく読みやすい。今回も、読者のみなさんはすんなり本に入り込み、川内さん、全盲の美術鑑賞者・白鳥建二さん、マイティさんと、仲間達と一緒にアートを鑑賞し、そこで繰り広げられる会話と、その後ワインなどを片手にワイワイと意見を交わす「アフタートーク」に参加し、一緒に泣いたり笑ったり、という気持ちになられることでしょう。
そして、クリスチャン・ボルタンスキーや風間サチコなどの壮大な作品世界を共に堪能し、作品を見て感じたこと、考えたことを共有されるのではないでしょうか。
さらにおそらく、ご自身についての、いろいろな発見や気づきが生まれるのではないかと思います。
読み終えたころには、楽しい仲間と一緒に鑑賞の旅をした心地よい余韻が残るはずです。
そんな「体験型読書」あるいは「鑑賞追体験」ともいうべきことができるのが本書の大きな特徴だと思っています。
これらの旅が、目の見えない白鳥さんと一緒だからこそ生まれたということ、一緒に鑑賞したからこそ、そこにあったのに見えてなかった世界への扉が次から次へと開いていったということに、私は何度も読んだ今も驚いています。
『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』がたくさんの人に読まれたら、もっと楽しく、誰もが生きやすい世の中になるのではないかと思います。

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