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ウンコノミクス

山口亮子

¥950(本体)+税   
発売日:2025年04月07日

ウンコは日本経済の切り札となるか!?

日本人は平均で1日200グラムのウンコを排出する。欧米人と比べても多く、日本は世界有数のウンコ排出大国だ。

ウンコは肥料の三要素のうち、窒素とリン酸を豊富に含む。リンの主要産出国である中国が禁輸に動き、ウクライナ危機も重なって、世界的な肥料不足が懸念されるなか、ウンコの価値が世界中で評価されている。

養殖海苔に窒素やリンを供給する栄養塩として、下水熱を使ったビル空調や、冬場に凍結した雪を融かす熱源として、自動車燃料、発電、宇宙ロケットの燃料として、ウンコの活用分野は、我々の想像よりずっと幅広い。
日本経済の切り札「ウンコノミクス」の可能性を探る。


商品情報

書名(カナ)ウンコノミクス
判型新書判
ページ数272ページ
ジャンル社会
ISBN978-4-7976-8156-7
Cコード0236

著者略歴

山口亮子(やまぐち・りょうこ)

ジャーナリスト。愛媛県出身。2010年、京都大学文学部卒業。2013年、中国・北京大学歴史学系大学院修了。時事通信社を経てフリーになり、農業や中国について執筆。著書に『日本一の農業県はどこか―農業の通信簿―』、共著に『誰が農業を殺すのか』(共に新潮社)、『人口減少時代の農業と食』(筑摩書房)などがある。雑誌や広告の企画編集やコンサルティングなどを手掛ける株式会社ウロ代表取締役。

目次

第一章 迫るXデー――リン酸が足りなくなる日
 一  九割を依存した中国が禁輸に動いた
 二  世界は化学肥料の争奪戦へ
 三  ウンコという都市鉱山
第二章 ウンコ版「夜明け前」――バカにならない温室効果
 一 羽田の隣は国内最大の下水処理場
 二 大都市は軒並み「火葬」
 三 「金肥」だった時代
第三章 再び「金肥」になる――ウンコの山は宝の山
 一 発酵や乾燥で優れた肥料に
 二 鶴の一声が生んだ新たな肥料
 三 「Bダッシュ」で下水道に爆速の進化
第四章 夢洲(ゆめしま)はウンコ島――悲しき埋め立て処分
 一 大阪万博アンダーグラウンド
 二 ウンコの副産物で下水管を固める
 三 「埋め立てればいい」が大阪の本音
第五章 水産から半導体まで――生活を支える資源への回帰
 一 海苔の養殖と下水道
 二 半導体に食品添加物、消火器も
 三 金鉱山より金が採れる
第六章 ウンコは熱い――サステナブルな熱源
 一 ハウスの加温に雪国の融雪
 二 車を走らすバイオガス
 三 ロケット発射
第七章 先進国化が絶った循環――ゴミになったウンコ
 一 蟯虫検査が廃止された理由
 二 化学肥料と下水道
 三 戦後も走った汚穢列車
第八章 食料輸入大国はウンコ排出大国――合わない養分収支
 一 海外から栄養分を大量持ち込み
 二 人も家畜も出す一方
 三 見えなくなった価値