電子書籍

「最前線の映画」を読む Vol.3

それでも映画は「格差」を描く

町山智浩

¥900(本体)+税   
発売日:2021年10月07日

世界の映画作家たちは現代社会を覆い尽くす「格差と貧困」をどのように描いたのか?
<冒頭80ページ、無料公開中!>

お待ちかね、「最前線の映画」シリーズ第3弾! 『天気の子』はなぜ雨を止めなかったのか? 『ジョーカー』はなぜ、チャーリー・チャップリンを観るのか? 『ノマドランド』の街はなぜ消えたのか? どうして『万引き家族』では「スイミー」が語られるのか?……近年のヒット映画の中に作り手たちが込めた「暗号」を町山智浩が鮮やかに解き明かす。


商品情報

書名(カナ)ソレデモエイガハカクサヲエガク サイゼンセンノエイガヲヨム
判型新書判
ページ数272ページ
ジャンル芸術
ISBN978-4-7976-8084-3
Cコード0274

著者略歴

町山智浩(まちやま・ともひろ)

映画評論家。ジャーナリスト。1962年、東京都生まれ。早稲田大学法学部卒業。「宝島」「別冊宝島」などの編集を経て、95年に雑誌「映画秘宝」を創刊。その後、アメリカに移住。現在はカリフォルニア州バークレーに在住。TBSラジオ「たまむすび」、BS朝日「町山智浩のアメリカの今を知るTV In Association With CNN 」レギュラー。著書に『「最前線の映画」を読む』『「最前線の映画」を読む Vol.2 映画には「動機」がある』(インターナショナル新書)などがある。

目次

#1  『パラサイト 半地下の家族』──降りしきるのは雨だけ
#2  『ジョーカー』──最も恐ろしきハッピーエンド
#3  『ノマドランド』──映画が与えた「永遠の命」とは
#4  『アス』──私たちこそモンスターだ
#5  『ザ・スクエア 思いやりの聖域』──「善きサマリア人」は、どこだ?
#6  『バーニング 劇場版』──格差が生んだ「大いなる飢え」
#7  『ザ・ホワイトタイガー』──インドのラスコーリニコフ
#8  『ロゼッタ』──格差と貧困を描く「ダルデンヌ・スタイル」とは
#9  『キャシー・カム・ホーム』──世論を動かした、ケン・ローチの「原点」
#10 『わたしは、ダニエル・ブレイク』──貧しさは罪なのか?
#11 『家族を想うとき』──「個人事業主」という罠
#12 『万引き家族』──ビルの谷間の「スイミー」たち
#13 『天気の子』──愛にできるものはまだあるよ

担当編集者より

突如、世界を襲ったコロナ禍。アメリカの映画館がほとんど休館になってしまうという異常事態の中で、「最前線の映画」Vol.3をどうするかという打ち合わせの中で、真っ先に挙がったフレーズが「格差と貧困」でした。コロナ・ウイルスは人々の健康や生命を奪う一方で、このグローバル資本主義社会にはびこる問題点を浮き彫りにしたと考えたからです。13本の映画の物語を読んだあなたはきっと「日本だけでなく、世界中で同じようなことが起きているんだ」という残酷な現実に戦慄するでしょう。

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