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インフォメーション 2021年06月29日

『宿無し弘文』日本エッセイスト・クラブ賞 贈呈式が行われました。

『宿無し弘文 スティーブ・ジョブズの禅僧』が第69回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞!
6/28(月)に東京・内幸町の日本記者クラブ会見場で贈呈式が行われました。

授賞式にはアメリカ在住の柳田さんに代わって、お母様の美枝さんが出席。
柳田さんの受賞スピーチは、zoomを使ってアメリカの自宅からなさいました。

柳田由紀子さんのコメント
この本が世に出るまでは、なかなかの難産でした。
いわく、
「こんな無名の坊さんの話、誰が読むんだ?」
それもそうかもと思いました。

ところが、刊行してみるとわずか二カ月で増刷、今では、四刷を重ねています。その上、「日本エッセイスト・クラブ賞」という光栄な贈り物までいただいて、何が起きているのかと、書いた本人が驚いています。 本書の主人公、乙川弘文は無欲で、名を残したいなどとはこれっぽっちも思わなかった人だから、今ごろは、雲の上で頭をかいていることでしょう。
弘文さんはまた、“自力”の傲慢さと限界を知るが故に、天真に身をゆだね、人々に求められれば、衆生無辺誓願度(しゅじょうむへんせいがんど)、欧米各地を訪ね歩いた僧侶でした。
私は、弘文さんを綴った本書にも、自分の意思を超えた外部の圧倒的な力を感じています。『宿無し弘文』が、この賞により、さらに多くの方に出逢うことになれば、著者としてこれ以上の喜びはありません。
弘文を慕(した)ったスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションにならって、“最後にひとつ”。
ある時、弟子から、
「人助けは何がベストだろう?」
と訊かれた弘文は、こう答えたそうです。
「笑わせてあげることだよ」

このたびは、誠にありがとうございました。
柳田由紀子

※衆生無辺誓願度……菩薩が起こす四種の誓願の一つ。一切の衆生を済度しようとする誓い。小学館『日本国語大辞典』

★担当編集者記★
第69回という伝統ある賞なので緊張して列席したのですが、エッセイストクラブ会員の皆さんの和気藹々(わきあいあい)とした雰囲気の中での、アットホームな授賞式でした。

同時受賞となった、さだまさしさん(『さだの辞書』/岩波書店)は本当にテレビで見る、そのまんまの自然体。私たちの図々しい写真撮影のお願いにも、にこにこと「はい、いいですよ」といくらでも応えてくださって感激でした!(ミーハー)

それはさておき、『宿無し弘文』は校了したときから「これは絶対に何かの賞をもらえる」という確信をいだいた本でした。結果的に出版から1年と2ヶ月待つことになりましたが、こうして評価をいただいたことに、たいへん嬉しい思いでした。あとの願いはこれからも、この本が多くの読者に読まれること。それについては今後も努力を重ねていきたいと思った次第です。

【日本エッセイスト・クラブ賞】
日本エッセイスト・クラブ(1951年設立)が1952年に制定。文芸作品等創作を除く一切の評論、随筆等の中より各関係方面の推薦を受け、日本エッセイスト・クラブに設けられた選考委員により選考。