電子書籍

山上徹也と日本の「失われた30年」

五野井郁夫/池田香代子

¥1,600(本体)+税   
発売日:2023年03月24日

宗教2世の政治学者 ×「100人の村」著者

山上徹也の全ツイート1364件を分析・解説--彼はどんな世界に生きてきたのか

山上徹也は、2019年10月13日から「silent hill 333」のアカウント名で、ツイッターへの投稿を始めた(2022年7月19日に凍結)。
その2年9カ月におよぶツイートにつぶさに記された思考と行動の変遷をたどることで見えてくるのは、家族そして人生を破壊された「宗教2世の逆襲」という表層的な理解にとどまらず、ロスジェネと呼ばれる世代に共通する絶望感、悲壮感であった。

山上被告と同世代で、自身も宗教2世である政治学者・五野井と、『世界がもし100人の村だったら』などの著者・池田が、それぞれの視点からツイートを精査、現代日本の重い問題をあぶり出す。

silent hill 333のツイート(抜粋)
【ジョーカーという真摯な絶望を汚す奴は許さない】(2019.10.20)
【オレを殺したのは誰だ】(2020.01.18)
【オレが14歳の時、家族は破綻を迎えた】(2020.01.26)
【残念ながら氷河期世代は心も氷河期】(2021.02.28)
【1フォロワーしかいない素晴らしき自由】(2021.3.28)
【最後まで生き残るのは搾取上手と恥知らず】(2021.12.08)

◎巻末には山上徹也の主要ツイートを抜粋して原文のまま時系列で収録
◎ツイートで山上徹也が言及した映画、音楽、小説、漫画、ゲームなどの作品リストを掲載


商品情報

書名(カナ)ヤマガミテツヤトニホンノウシナワレタサンジュウネン
判型四六判ソフト
ページ数176ページ
ジャンル社会
ISBN978-4-7976-7427-9
Cコード0036

著者略歴

五野井郁夫(ごのい・いくお)

政治学者・国際政治学者、高千穂大学経営学部教授。
1979年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会学専攻博士課程修了、博士(学術)。
日本学術振興会特別研究員(DC1、PD)、立教大学法学部助教を経て現職。専門は民主主義論・国際秩序論。2013年ユーキャン新語・流行語大賞で「ヘイトスピーチ」がランクインした際に顕彰。
著書に『「デモ」とは何か 変貌する直接民主主義』(NHKブックス)、共編著に『リベラル再起動のために』(毎日新聞出版)など、共訳にウィリアム・コノリー『プルーラリズム』(岩波書店)など。
「立憲デモクラシーの会」呼びかけ人も務める。

池田香代子(いけだ・かよこ)

1948年、東京都生まれ。ドイツ文学翻訳家。東京都立大学卒業。
著書に『世界がもし100人の村だったら』(マガジンハウス)、翻訳に『夜と霧』(みすず書房)、『ソフィーの世界』(‎NHK出版)など。映画『ベルリン・天使の詩』などの字幕も担当。
YouTubeチャンネル「デモクラシータイムス」で「池田香代子の世界を変える100人の働き人」を担当する。

目次

プロローグ 山上徹也の言葉をわたしたちは読まなければならない-池田香代子
第一部   五野井郁夫×池田香代子 新自由主義とカルトに追い詰められた〝ジョーカー〟のツイートを読み解く 
第二部   山上徹也、あるいは現代日本の肖像 - 五野井郁夫
第三部   山上徹也ツイート全1364件 完全分析

◆山上徹也と日本の「失われた三〇年」 年譜
◆ツイートに見る 山上徹也が言及した作品リスト

表紙画像・リリースのダウンロード

表紙画像の使用については 〈こちら〉 をご確認ください。