皇妃エリザベートの暗殺者
ルイジ・ルキーニ回顧録
¥2,000(本体)+税
発売日:2024年05月24日
不幸な孤児はなぜ皇妃の暗殺者となったのか?
ミュージカル『エリザベート』がより深く理解できる、必読の書
尋問官「なぜ皇妃エリザベートを殺したのか」
ルキーニ「私の人生の埋め合わせをするために」
ルキーニが獄中で不審死を遂げたため未完に終わった回顧録に加え、当時の公文書などからエリザベート暗殺事件の詳細や、暗殺事件当日から10回以上におよんだ予審尋問、並びに裁判、そして獄中で記された手紙などのルキーニの発言を詳述。
残された様々な記録から、真実の姿を探る。
商品情報
書名(カナ) | コウヒエリザベートノアンサツシャ ルイジルキーニカイコロク |
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判型 | 四六判ソフト |
ページ数 | 272ページ |
ジャンル | 歴史・地理 |
ISBN | 978-4-7976-7448-4 |
Cコード | 0098 |
著者略歴
イタリアの無政府主義者。1873年、パリで生まれ、生後間もなく実母に養育を放棄され孤児院で育つ。10代の頃から職を転々とする生活の中で無政府主義に傾倒。1898年、皇妃エリザベートを暗殺。終身刑を宣告され、11年の獄中生活中に独房で回顧録を執筆。1910年、未完のまま謎の死を遂げた。享年37。
大阪大学外国語学部非常勤講師。1977年、大阪府生まれ。早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了。近著に『アンドリュー・ジャクソン伝記事典 マーティン・ヴァン・ビューレン伝記事典』(大学教育出版)、『アメリカ人の物語5―建国の父ジョージ・ワシントン(下)』(悠書館)など。
目次
ルキーニ関連地図
訳者による解説
第1章 ルキーニ回顧録
読者へ
序文――実の両親について知っていること
第一部――少年時代の思い出
第2章 その後のルキーニ
遍歴
兵役
無政府主義の洗礼
標的
第3章 暗殺事件
事件当日
尋問
九月一〇日の尋問/九月一一日の尋問/九月一二日の尋問
九月一三日の尋問/九月一四日の尋問/九月一五日の尋問
九月一六日の尋問/九月一九日の尋問/九月二六日の尋問
一〇月三日の尋問/一〇月四日の尋問
裁判
第4章 不審死
獄中生活
不審死
あとがき
主要参考文献
担当編集者より
ミュージカル『エリザベート』でルイジ・ルキーニ役を演じた俳優の成河さんから推薦文をいただきました。
帯に掲載している推薦文全文をこちらでもご紹介します。
成河さん推薦
「このルキーニという役を、より深く鎮魂するためにも、またやりたいなと、感じました」
***
終始圧倒的なエネルギーに翻弄され、ページをめくる度に判断力が揺さぶられる。その技巧を凝らした文体、蠱惑的な叫びに何度も自問自答させられる。果たして自分は今この社会の中でどのような場所に居て、どのように振る舞うべきなのか。
この本の中にその答えはない。ただ私たちは、地べたをぐっと踏みしめて、彼の「正義」の叫びがもたらす強風に吹き飛ばされないよう、この社会と歴史の隅々まで目を凝らしてみるしかない。
彼は彼の一生の中で、自分という存在に一度たりとも価値を認めることが出来なかった。その魂の叫びが、まるで自分自身を浄化するように文字となって叩きつけられている。きっと犯行に及ぶ前にこの芸術行動が果たされていたら、それは代替行為たり得たのだろうと思う。
これは、私たちの社会が産み落とした、私たちの中にさえ住まう、良く知っている悪魔による手記なのだ。
(成河:俳優。ミュージカル『エリザベート』ルイジ・ルキーニ役)