
ファシズムの正体
¥700(本体)+税
発売日:2018年02月07日
グローバル資本主義の暴走の先にファシズムが待つ!
現在、世界各国でファシズムの足音が響き始めている。国民を束ねるファシズムが社会の不安定化を機に台頭してくるのは、近代以降、何度も繰り返されてきたことだ。その流れに抗うためには「ファシズムの論理」を理解する必要がある。
しかし、日本ではムッソリーニのファシズムとヒトラーのナチズム、そして戦前日本の軍国主義が同一視され、その違いが理解されていない。佐藤優がファシズムの本質を解説する。
商品情報
| 書名(カナ) | ファシズムノショウタイ |
|---|---|
| 判型 | 新書判 |
| ページ数 | 192ページ |
| ジャンル | 社会 |
| ISBN | 978-4-7976-8019-5 |
| Cコード | C0231 |
著者略歴

作家、元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。1985年、同志社大学大学院神学科修了後、外務省入省。在英国日本国大使館、在ロシア連邦日本国大使館勤務後、本省国際情報局分析第一課において主任分析官として活躍。『国家の罠』(新潮文庫)で、毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮文庫)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。その他、『「知」の読書術』(集英社インターナショナル)、『世界史の極意』(NHK出版新書)、『牙を研げ』(講談社現代新書)など著書多数。
担当編集者より
今回、佐藤優さんの新書を担当し、私はこれまで抱いていたファシズム観を根底から覆されました。佐藤さんは「ファシズムとか、ファシストとか言う単語は絶対悪のシンボルとなっていて、相手を罵る言葉として使われています。だから、日本では冷静な議論がほとんどなされていません。ファシズムの本質をしっかりとつかんでおくためにも、複雑な論理で組み立てられているファシズム現象を分析する書籍が必要です」と語られました。古今東西の浩瀚な書物に目を通し、膨大な知識をもつ佐藤さんの原稿には、今まで知らなかった「本来のファシズムとは何か」が書かれていて、ただただ驚かされるばかりでした。
特に意外だと感じたのは、「ファシズムは福祉国家論と親和的」だということです。ファシズムの特徴は新自由主義的資本主義がもたらす、失業・貧困・格差などの問題を国家の介入によって是正しようとするところにある。だから、失業や貧困にあえぐ国民から支持されやすいというのです。
ファシズムの徴候を敏感に察知するためには、本来のファシズムが生まれた歴史的背景とともに、その論理を正確に理解しなくてはならないと感じました。本書ではイタリア・ファシズムの歴史から内在的論理、ファシズムの技巧、そして「日本でファシズムは可能なのか」までを解説しています。ぜひお手にとってみてください。



