危険な「美学」 | 集英社インターナショナル 公式サイト
電子書籍

危険な「美学」

津上英輔

¥820(本体)+税   
発売日:2019年10月07日

「美」を感じる感性そのものに潜む危険

芸術が政治に利用されるという話は数多くありますが、本書は人間にとっての三大価値である真・善・美の「美」そのものに実は危険が潜むことについて著者独自の理論で指摘した、画期的な一冊です。
高村光太郎の戦意高揚の詩やジブリアニメの「風立ちぬ」で描かれた「美しい飛行機作り」という行為に潜む危険。トーマス・マンの『魔の山』における結核患者の描写や、特攻隊の「散華」を例に、イメージを負から正へ転換させてしまう感性の驚くべき反転作用について解説します。
「美」を感じるとはどういうことなのか? 誰もが有する「感性」がもたらす危険を解き明かします。


商品情報

書名(カナ)キケンナビガク
判型新書判
ページ数200ページ
ジャンル芸術
ISBN978-4-7976-8044-7
Cコード0270

著者略歴

津上英輔(つがみ・えいすけ)

美学者。成城大学文芸学部教授。一九五五年、東京生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院修了。博士(文学)。フライブルク大学で音楽学を専攻。同志社女子大学専任講師、成城大学助教授を歴任。その間、イェイル大学客員研究員、ストックホルム大学客員教授。著書に『あじわいの構造』(春秋社)、『メーイのアリストテレース『詩学』解釈とオペラの誕生』(勁草書房)、共訳書にD.J.グラウト、C.V.パリスカ『新西洋音楽史』(音楽之友社)などがある。

担当編集者より

小学生の頃、何気なく見ていた「ルパン三世」の主題歌に「背中で泣いてる男の美学」という歌詞がありました。当時の私はその「美学」という言葉に、ただならぬ響きを感じたものです。ルパン三世というキャラクターと「美学」という言葉が非常にマッチしたのでしょうか。
「学」とついている以上、確かな学問であるのですが、その頃は当然、どのような学問なのかなどとは考えずにその哀愁漂う主題歌のロマンティズムだけを享受していたように思います。
本書は、そんな当時の自分に送りたい一冊となりました。
著者の津上英輔先生は長年この学問に没頭し、「美」について考えてきた方です。「美」とは何か? 「美」を感じるとはどういうことか? 日常生活における「美学」の役割とは何か? 打ち合わせをしていると話が多岐に及び、美の世界がどんどん膨らんでいきます。 
例えば、先生と話をしていると毎回「~の美学」という言葉が話題に上がります。「満員電車の美学」「ロックの美学」「ピッツァの美学」「〆切の美学」など……、どのようなものでも後ろに「美学」をつけると格好がついてしまうのです。
しかし、そのような「美学」という言葉の使い方にも危険が潜んでいるということを本書では指摘します。
誰もが日頃感じている「美」そのものに実は危険があるというのです。これはとても斬新な指摘ではないでしょうか?
本書を読めば、「美」についての考え方、感じ方が変わること間違いなしです。是非、ご一読ください。

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