ランボーはなぜ詩を棄てたのか
¥900(本体)+税
発売日:2021年06月07日
天才詩人が求め、得られなかったものとは?
フランス北東部の街、シャルルヴィルに生まれたアルチュール・ランボー。
早くから詩の才能を発揮し、詩人のヴェルレーヌとも交流を持ったが、20歳のとき、ランボーは突然、詩作を放棄する。
なぜ、ランボーは詩を棄てたのか?
その答えはその詩で最も難解とされる散文詩「イリュミナシオン」にあった。
著者、奥本大三郎による詩の新訳とともに紡ぐ、詩人ランボーの生涯!
商品情報
書名(カナ) | ランボーハナゼシヲステタノカ |
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判型 | 新書判 |
ページ数 | 272ページ |
ジャンル | 文芸 |
ISBN | 978-4-7976-8072-0 |
Cコード | 0223 |
著者略歴
フランス文学者。NPO日本アンリ・ファーブル会理事長。1944年、大阪府生まれ。東京大学文学部仏文学科卒業。同大学大学院修士課程修了。『虫の宇宙誌』(集英社文庫)で読売文学賞、『楽しき熱帯』(講談社学術文庫)でサントリー学芸賞を受賞。訳書『完訳 ファーブル昆虫記』(全10巻20冊、集英社)を完成させた業績により菊池寛賞を受賞。他にも訳書・著書多数。
目次
序章
●第一部 詩人ランボーの足跡
第一章 日本におけるランボー
第二章 年金生活者を目指す神童
第三章 出奔
第四章 見者の修行へ
第五章 「忘我の船」で大海に出る
第六章 パリのランボー、ヴェルレーヌからの招待状
●第二部 「地獄の一季節」「イリュミナシオン」読解
第一章 「言葉の錬金術」の謎解き
第二章 ”暗殺者”ランボー
お知らせ
- 『ランボーはなぜ詩を棄てたのか』メディア掲載情報 2021年08月02日
担当編集者より
『ファーブル昆虫記』の翻訳者として有名な奥本大三郎先生が、なぜアルチュール・ランボーについて語るのか?
実は奥本先生の大学院生時代の修士論文のテーマは「アルチュール・ランボー」でした。ランボーの詩の読解もまた、ファーブルについての研究同様に先生のライフワークなのだそうです。
「50年越しの修論の集大成ですね!」と言うと苦笑いを浮かべておられた先生ですが、奥本先生の新訳によって浮かび上がるランボーの詩の世界は、『ファーブル昆虫記』完訳という偉業を成し遂げた奥本先生だからこそ描ける、豊穣なるフランス文学の系譜そのものでした。
ランボーがボードレールからどれほどの影響を受けていたのかを詩の中から読み解く様は痛快ですし、普仏戦争で揺れる19世紀のフランスにおいて幸福の魔法を探求するランボーについての解説を読むと、私のような凡人の胸にも迫るものがあります。
是非、若き天才詩人の波瀾万丈な人生と、一人のフランス文学者の50年という歳月が交差する本書をお楽しみ頂けますと幸いです。