ムラブリ
文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと
¥1,800(本体)+税
発売日:2023年02月24日
あなたの「ふつう」をひっくり返す 異端の言語学ノンフィクション
就活から逃げ出した言語学徒の青年は、美しい言語を話す少数民族・ムラブリと出会った。文字のないムラブリ語を研究し、自由を愛するムラブリと暮らすうち、日本で培った常識は剥がれ、身体感覚までもが変わっていく……。
言葉とはなにか? そして幸福、自由とはなにか? ムラブリ語研究をとおしてたどり着いた答えとは……?
【ムラブリとは】
タイやラオスの山岳地帯に暮らす少数民族。人口は500名前後と推測される。
「ムラ」は「人」、「ブリ」は「森」を指すため、「森の人」を意味する。タイ国内では「黄色い葉の精霊」とも呼ばれる。
かつては森のなかで狩猟採集をしながら遊動生活をしていたが、定住化が進んでいる。
ムラブリ語には文字がなく、話者数の減少にともない、消滅の危機にある「危機言語」に指定されている。言語学的に希少な特徴が複数確認されている。
★高野秀行(ノンフィクション作家)
「不思議な本。ただ面白いだけでなく、別の世界にトリップしたような感覚に襲われる。」 ★川添愛(作家・言語学者)
「生きる力を削がれた現代人のために、言語学者に何ができるのか。その答えがここにある。」
商品情報
書名(カナ) | ムラブリ モジモコヨミモモタナイシュリョウサイシュウミンカラゲンゴガクシャガオソワッタコト |
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判型 | 四六判ソフトカバー |
装丁 | 山田和寛+佐々木英子(nipponia) イラストレーション:黒崎威一郎 |
ページ数 | 256ページ |
ジャンル | ノンフィクション |
ISBN | 978-4-7976-7425-5 |
Cコード | 0095 |
刷数 | 第3刷 |
著者略歴
言語学者、横浜市立大学客員研究員。
1986年、島根県生まれ。2010年、富山大学人文学部卒業。2016年、京都大学大学院文学研究科研究指導認定退学。日本学術振興会特別研究員(PD)、富山国際大学現代社会学部講師、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員などを経て、2020年より独立研究に入る。
学部生時代からタイ・ラオスを中心に言語文化を調査研究している。ムラブリ語が母語の次に得意。
2022年公開のドキュメンタリー映画『森のムラブリ』(監督:金子遊)に出演し、現地コーディネーター、字幕翻訳を担当。本作が初の著書。
目次
第1章 就活から逃走した学生、「森の人」に出会う
第2章 駆け出し言語学者、「森の人」と家族になる
第3章 ムラブリ語の世界
第4章 ムラブリの生き方
第5章 映画がつなぐムラブリ、言語がつなぐ人間
第6章 ムラブリの身体性を持った日本人
お知らせ
- 『ムラブリ』メディア掲載情報 2024年03月14日
- 『ムラブリ』重版出来! 2023年07月04日
- 『ムラブリ』重版出来! 2023年04月18日
- 済東鉄腸さん×伊藤雄馬さんW刊行記念イベントのお知らせ(本屋B&B) 2023年04月04日
- 2月24日朝日新聞、中日新聞、聖教新聞に連合広告を掲出しました。 2023年02月24日
担当編集者より
本書は、言語学者・伊藤雄馬さんの青春記であり、15年以上を費やした貴重な研究レポートでもあります。
東南アジアの山奥で、独特の言語・価値観で生を営むムラブリの人々。伊藤さんを驚嘆させ、ときに困惑させる彼らの言葉や考え方は、現代日本で生きる我々にも深く突き刺さるものばかり。
さらに、ムラブリ語習得による“変化”を経た伊藤さんの歩みは、怒涛の勢いでわたしたちの常識を揺さぶってきます。
言語学や海外でのフィールドワークに興味のある方はもちろん、ご自身の現状にどこか閉塞感を感じている方に、ぜひお読みいただきたいです。
状況に変化をもたらすのは、意外にも「言葉」という身近なものなのかもしれません。