チョムスキーと言語脳科学

酒井邦嘉・著

¥860(本体)+税   
発売日:2019年04月05日

●子どもが楽々と言葉を身につけられるのはなぜか?
●第二言語の習得が難しいのはどうしてか?
●人工知能が言語をうまく扱えない本当の理由

チョムスキーの理論を言語脳科学で実証し数々の謎が明らかに!

すべての自然言語には共通の基盤があり、言語機能は生得的だとする「生成文法理論」は正しいのか。言語研究の「革命」を告げるチョムスキー著『統辞構造論』を詳しく解説し、生成文法理論の核心となる<文法中枢>が脳内に存在することを、言語脳科学の実証実験によって明らかにする。


商品情報

書名(カナ)チョムスキートゲンゴノウカガク
判型新書判
ページ数256ページ
ジャンル科学・技術
ISBN978-4-7976-8037-9
CコードC0240
刷数第5刷

著者略歴

酒井邦嘉(さかい・くによし)

言語脳科学者、東京大学大学院教授。1964年生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。1996年マサチューセッツ工科大学客員研究員を経て、2012年より現職。第56回毎日出版文化賞、第19回塚原仲晃記念賞受賞。脳機能イメージングなどの先端的手法を駆使し、人間にしかない言語や創造的な能力の解明に取り組んでいる。著書に『言語の脳科学』『科学者という仕事』(ともに中公新書)、『脳の言語地図』(明治書院)、『芸術を創る脳』(東京大学出版会)など。

担当編集者より

「言語は、コミュニケーションのために生まれたものではありません」
本書の当初の企画は、酒井邦嘉先生に「言葉と脳について100の質問に答えていただく」というものでした。「認知と言語」「<歌う>と<話す>」「多言語話者の脳」「動物の<言葉>」など、硬軟さまざまな質問の中で、ふと出てきたのが「言葉はコミュニケーションのために進化してきたわけですよね?」という問いかけでした。私としてはしごく当たり前のこととしてうかがったつもりだったのですが、その問いに対して酒井先生から返ってきたのが冒頭の言葉でした。
「言語はコミュニケーションのために生まれ、進化したものではない」――編集者として言葉を生業としてきた私にとって、それはとても衝撃的な答えでした。
では、言葉はいかにして生まれ使われるようになったのか、そもそも言葉とは何なのか、「言葉」の本当の姿を知りたい、この本はそうした素朴な問いから生まれました。
言葉に興味のある人に、ぜひ読んでいただければと思います。