「自炊」を考える(その3)

さて、ここまで自炊について考えてきましたが、読書家、愛書家を悩ませる蔵書整理問題を解決するうえで、重要なキーワードとなってくるのが最近、流行の「持続可能性」Sustainabilityであろうかと思います。

つまり、どんなに画期的で、素晴らしい方法であっても長続きしないのでは意味がない。ローテクではあっても、長続きすることのほうが重要なのです。

そこで考えられる解決策は

1)何もしない。

です。

つまり、そもそも「蔵書を整理しよう」と思い立つから余計な手間がかかるのであって、よく考えてみれば、整理をしなくてもこれまでやってこれたのですから、それで問題ないではないか、という発想です。

しかし、これでは何のためにクビの上に頭がついているの分からないと思う人もあるかもしれません。そこで次にお薦めするのが、

2)あふれかえった本は古書店に引き取ってもらう。

という方法です。

すでに書きましたが、本ほど場所ふさぎのものはありません。しかも、手入れが悪ければ、ホコリは積もる、虫(いわゆる紙魚です)がつく。だったら、いっそのこと文化財の保護に長けた専門家にお願いしたほうが世のため、人のためになるというもの。

それによく考えてみれば、本を置いているスペースに私たちは何らかのお金を支払っているのです。賃貸物件であれば、本を置く場所には賃料が発生しているわけですし、自前の物件であっても固定資産税はかかるし、また書庫にするには空調も必要なので電気代もかかります。また虫干しだってたまにはしなければいけない。

だったら、多少、損はしても古書店にいったん引き取っていただくのが一番です。
考えてみれば、どうせ読み返すのは何年も先のこと。いや、下手をすれば一生、読み返さないままに終わってしまいます。だったら古書市場に出して、読みたい人に預けたほうがいい。そうすれば売却時にお金もなにがしか入ってきます。再読したいと思ったならば、古書店で探せば、よほどの稀覯書でないかぎり手に入ります。

今はネットで古書が探せますから、売却時の値段よりもふたたび古書で買う価格が高くなったとしても、家賃や税金を考えれば安いもの。

amazon マーケット・プレイス
日本の古本屋
スーパー源氏

この3つのサイトでたいてい見つかるはず。

それにこれからはGoogleや国会図書館などで電子書籍化が進む時代。いちいち個人が自炊をする必要もないのです。

え? でも、せっかく読んだのだから、せめて読書記録を付けたい?

たしかにその気持ちは分かります。実際、一回読んでいながら、読んだことを忘れてしまってもう一度買ったという経験は誰にでもあるはず。

しかし、そのために読書ノートを付けたりするのはやはり「持続可能」なことではありませんね。

3)そこでお薦めしたいのが、ビッグローブが展開している「モノコレ」です。

モノコレは書籍についているバーコードをiPhoneや安価なバーコードリーダーでスキャンするだけで自分の蔵書目録が作れるという無料サービス。

このサービスの素晴らしいのは、自分でデータを一つも入力しないでも、バーコード読み取りだけで基礎情報がすべて記録できること。しかもMixiの読書記録(ブックレビュー)よりも優れているのは、Excelなどで読み取れる汎用性の高いデータに書き出せるところ。

これならば将来、プラットフォームが変わったとしても蓄積したデータが生かせますね!

書籍の電子化は始まったばかり。もちろんモノコレが最終手段とは申しませんが、しかし、最初からあまり張り切りすぎると三日坊主で終わってしまいます。無理をしないで、できるかぎり楽にデータベースを作る。それこそが本当のPCやネットのメリットではないでしょうか。

(終わり)

MKT記す。

「自炊」を考える(その3)” への1件のフィードバック

  1. 自炊ブームを見誤ってるかも。

    自炊にはまってる人は本を読むために自炊をしてるわけじゃないんです。
    自炊するのが目的になってるから続いてる人がほとんどだと思います。

    自炊にはまる人はそれ以前に本を集めるのが趣味
    (本を読むより集めるのが好き)な人たちがほとんど。
    本を集める行為が本を自炊するに摩り替わっているだけではないかと思います。

    その証拠に自炊派のほとんどは自炊した本をあまり読まないでしょう。
    スペースが無いので手元に置けない本を自炊してデジタルで残したいという
    衝動だけで自炊を続けている人がほとんどだと思います。

    まあ自分もその一人なんですが。
    そういう意味では自炊はニッチな趣味で終わると思います。
    コレクター気質の人たちに行き渡ったらそれ以上の広がりは多分無いと思いますし。

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