Kindleは最近のものになって、日本語のフォントを埋め込んであるpdfも表示できるようになった。で、さっそく手元にある原稿データ(四月の末に出るものですが)をpdf化して実験してみました。
Kindleへのファイルの転送はPCとKindleとをUSBケーブルで接続すればいいので至って簡単。あとはファイルをドキュメントフォルダにコピーすればいいのです。
で、まず感じたのは「余白は不要」ということです。
図像は省略しますが、普通、文書ファイルを作るときには余白を作りますが、キンドルのような端末の場合、周囲の枠がそれ自体、余白の効果をなしているし、余白を作ることによってますます文字が小さくなりますから、なるべく余白は少なめにします(本当は縦横比も画面に合わせたほうがもっといいかも)。
また、ノンブル(ページ番号)はKindleが表示してくれるので不要ですから、これも取ります。
で、次に気付いたのは「ノーマルな明朝フォントだと弱い」ということ。
KindleDXのような大画面ならばともかく、Kindleですと600×800ピクセルしか画面の広さがありませんから、ノーマルな明朝体ですと細くて白っぽくなります。


そこで普通では本文書体には考えられない太い明朝体で組んでみると、これが意外に可読性に優れています。


よく考えると、Kindleで採用されている英文書体もかなりボールドなものです。
このあたりはやはり印刷物の解像度とディスプレイの解像度の違いが関係しているのでしょう。
だいたい印刷物の解像度は最低でも300dpiなのに対して、ディスプレイは72dpi~100dpiですので、ぜんぜん解像度が違います。
実際に弊社で公開する立ち読みファイルは印刷物をスキャンしたものですので、今回とは違うプロセスでpdfを作るわけですが、やはり少しでも実験すると勉強になりますね。
来週はすでに出版されている本をスキャンしてkindleで読む、ということに挑戦します。
デジタル担当S
有り難うございます。
ブログ拝見して、とっても参考になりました!
我々もキンドルではなくPCなのですが、企業内向け資料管理システムを
電子ブックで提供しているのですが、まさに同じ事象で明朝をゴシックに変換して運用
しています。
着々と進行されていて、この先が楽しみです!
コメントありがとうございます。
考えてみると、今、私たちが当たり前のものとして使っている明朝体、あるいは英語のTimes New Romanなどは、近代印刷文化の発展の中で確立してきた書体であって、それ以前には存在しなかったものでした(つい最近読んだPenguinBooksのデザイン史の中で「Times New Romanは第二次大戦直前、粗悪な紙に大量印刷しても潰れないフォントとして導入された」とありました)。
そういう意味では電子出版の時代には、電子出版にふさわしいフォントが開発されなければならないのでしょうし、組版規則(文字間、行間などの規則)も新しいものが作られていくことになるのでしょう。
また、私たち「紙媒体」の人はとにかく解像度を上げればいいと思いがちですが、現行のデジタル環境では72dpiをデフォルトとして考え、そこで可読性の高いデザインをしていくことも重要かと思いました。
何事も経験とはよく言ったものですね。こういうことも実際に自分でpdfにして、Kindle2で読みこんでみて初めて気がつくことで、それまでは単に紙をデジタルにすればいい、程度の認識しかなかったことを恥じました。でも、それだけに面白いジャンルですね。
今後もKindleレポートをお楽しみに!