Kindleレポートその2

昨日、Twitterにて電子出版のことをつぶやいていたら、フォロワーの方から「電子出版専門のフォントがあるらしいですよ」と教えていただいた。

ああ、そういえばそういうのを聞いた気がしないではない(汗)

というわけで、ちょとだけですが、調べてみました。

いわゆる電子出版用の日本語フォントとして名前が挙がってくるのは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が提供している「IPAフォント」およびその発展系であるIPAexフォントが、無償で提供されているものとして有名です。

IPAexフォント見本 明朝系とゴシック系の2種類があります。IPA 公式サイトより
IPAexフォント見本 明朝系とゴシック系の2種類があります。

IPAフォントのダウンロードはこちらからできます。

しかし、これは見てのとおり、解像度の低いKindleなどでは文字のウェイト(太さ)がやや足りないようです。実際にKindleでIPAフォントで組んだpdfを見てみましたが、やはりちょっと細すぎる感じがしました。

そこで第二の有力候補として挙がるのが大日本印刷が開発している「秀英横太明朝」です。

真ん中が秀英横太明朝体です。

これはたしかにウェイトも十分で、可視性にすぐれています。

ちなみに、秀英横太明朝体は「秀英体」ファミリーの一種ですが、この名前は集英社とはちっとも関係ありません。

大日本印刷の前身である秀英舎製文堂で開発された書体であるということが名前の由来で、秀英明朝といえば、数ある明朝体の中でも老舗中の老舗、といった感がある、すぐれたフォントとして有名です。


秀英体についての情報ページはこちら(大日本印刷)。

この秀英体ファミリーはすでに商用の電子出版に採用されています。
一つがボイジャーの運営する「理想書店」という電子書籍のオンライン書店です。

理想書店HP

こちらで採用されているiPhone、iTouch用電子ブックビューワ「理想BookViewer」にも秀英明朝が使用されています。
ただし、iPhoneで見本を見てみましたが、秀英中明朝なのでやや細い感じがします。

一方、集英社や小学館、講談社などが参加している「電子文庫パブリ」のPC用ビューワー「T-Time」には秀英太明朝が採用されています


電子文庫パブリHP

しかし、残念ながら期待の新星「秀英横太明朝体」を採用した電子ブックは見当たりません(ご存じの方があればご教示ください)。

さらにちょっとがっかりしたのは今のところ、秀英横太明朝体は一般には市販されていないという点です。

秀英明朝は明治以来の伝統を誇る、ひじょうにすぐれたフォントなのでこれをベースに可読性を上げた横太明朝が普及するのを期待したいところです。

なお、秀英明朝体を比較できる面白いページがありますので、そこを紹介します。
大日本印刷さんの提供しているページですが、秀英明朝ファミリーをほかの書体と比較できたりして、なかなか楽しいですよ。

秀英体のデザイン(大日本印刷)

ここの真ん中のあたりにある「秀英体見本帳はこちら」というところから入ってみてください。
あなたのPCにインストールされているフォントと秀英体との比較ができて、フォントの世界の奥深さがお分かりいただけるはずです。

今回はちょっとKindleそのものからは離れてしまいましたが、どうかご容赦を。