立ち読み電子出版

昨日のNHKニュースなどで日本電子書籍出版社協会が設立されたと報じられています。

弊社の親会社にあたる集英社も加盟していますので、弊社もその流れの中にいずれ入っていくことになると思いますが、単にAmazonやGoogle、AppleなどのアメリカIT企業の動きに対応するというだけでなくて、少子化にともなう日本国内の出版マーケットの縮小(具体的には初刷部数の減少など)、そしてリアル書店の統合・整理などといった動きの中で、弊社のような小さな出版社が生き残るためには、日本に電子出版のプラットフォームが普及・定着していくのは、一種の朗報だと感じているのです。

もっとぶっちゃけて言いますと、正直、これだけ郊外の駅前などにあった中小規模のリアル書店がなくなっていき(一方で、大手の書店チェーンは積極出店していますが)、ネットで買わざるを得ない状況が出てきて、しかも初刷部数が減っているのでは、現物を書店の店頭で手にとって、立ち読みしてもらえるチャンスが確実に減っているという危機感を抱いておるのです。

作り手の側としては「ちょっとでも立ち読みしてくださったら(せめてまえがきや目次だけでも見てくださったら)、この本の良さが分かってもらえるはず」という情熱を持って作っていますが、今のような状況だと、そのチャンスさえ失っているのではないかというもどかしさがあります。

何より、書評などで弊社の出版物に興味を持ち、「ちょっと見てみるか」と書店さんにわざわざ足を運んでいただいても、「店頭在庫なし」ということでは申し訳ないです。

もちろん、弊社のHPやネット書店さんにアクセスすれば目次情報などは手に入りますが、それではやはり「立ち読み」の感覚までは行きませんよね。

ですので、これから弊社ではできるかぎり積極的に「立ち読み」できるような態勢にしたいと思っています。

具体的には全部を無料でダウンロードできるとまではいかなくても、その1章か2章分は最低でも丸のまま、pdfなどのフォーマットでダウンロードして、お手持ちの情報機器で読んでいただき「これだったら続きも読みたい」と思ったら、リアル書店さんなり、ネット書店さんで購入・注文していただけるようにしたいと思っています。

正直、アメリカのように日本でも、一冊まるごとダウンロードして買っていただくまでの状況になるか、それはまだ分かりません。生活習慣の違い、書籍の文化伝統の違いなど、さまざまな阻害要因があります。しかし、立ち読み化だけは販売上必須のことだと思っています。その意味で、弊社もどんどん「変化」していきたいと思っております。

なお、過去の書籍についても著作権者のご了解をいただける分については順次、立ち読み用のpdf化を行なっていく所存です。

とりあえずは4月刊行分からその試みを始めていきます。まだまだ暗中模索ではありますが、よろしくお願いします。

立ち読み電子出版” への2件のフィードバック

  1. ピンバック: Garbagenews.com
  2. Garbagenews.comさま
    弊社の取り組みを報じてくださって感謝です。
    まだまだ始まったばかりの試みです。どうか今後もよろしくお願いします。

    集英社インターナショナル 担当S

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