「kotoba(コトバ)」2019年春号は「日本人と英語」特集です。

今回のkotobaの特集テーマは、ずばり、「日本人と英語の関係」です。
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戦後に教育を受けた日本人のほとんどは、好き嫌いにかかわらず学校で英語を学んできました。21世紀になり、グローバリズムの波をまともに受ける私たちは、改革が繰り返される英語教育政策や、アグレッシブさを増す英語ビジネスに翻弄されつつあります。
こうした現状を踏まえ、私たちは一歩立ち止まり、日本における「英語受容の歴史」「英語との付き合い方」「英語の未来」について考えてみるべきだと考えました。
編集作業を続けていくなかで驚くべき事実にいくつか遭遇しました。
「明治維新前後に、英語を日本の国語にしようとする動きがあった」
「統計データによると、他国と比べて特別に日本人が英語が不得意というわけではない」
「英語の語彙に入った日本語は、ロシア語やアラビア語より多い」
など、目から鱗が落ちる話が続出し、日本における英語の存在の大きさに改めて気づかされると同時に、日本の行く末が少し心配になってきました(詳しくは本誌をお読みください)。
個人的に興味深かったのは、「英語などの外国語に頼らず、大学まで母語で高度な教育が行える国は、実はそれほど多くない」という事実です。
今、日本は、これまで日本語で行ってきた様々なことを英語で代用しようとしています。そこには、翻訳や通訳というエキスパートを通して、英語を日本の社会に柔軟に取り入れ、日本語を豊かにしてきた歴史を振り返る姿勢は希薄です。
今回本誌に登場していただいた、マーク・ピーターセン、ピーター・バラカン、鳥飼玖美子、斎藤兆史、金原瑞人を始めとする各氏は、日本語・日本人と英語の関係について、深い知見と洞察を提示してくれます。読み終えたとき、きっと「日本人と英語」のあるべき未来図が見えてくるはずです。
また、本号から、サイエンスライターの吉成真由美さんによる新連載「知の巨人たち」が始まります。世界の第一線で活躍する歴史学者、政治学者などにロング・インタビューを敢行するこの連載の第一回目に登場するのは、イェール大学の歴史学教授、ティモシー・スナイダー氏です。ホロコースト、ファシズムについての鋭い洞察に満ちた見解には思わず引き込まれます。ぜひご一読ください。
集英社クオータリー「kotoba(コトバ)」2019年春号は3月6日(水)発売です。ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。
kotoba編集長
佐藤信夫

「kotoba(コトバ)」2019年冬号は孤独特集です。

「孤独な者よ、君が歩むのは、創造者の道だ」

これは、ドイツの哲学者ニーチェが『ツァラトゥストラ』に記した名言ですが、古くは、ギリシャ/ローマの哲学者から、現代の作家たちまで、様々な分野の人たちが「孤独」について数え切れないほど多くの言葉を残してきました。

人は、ときには、ひとりを恐れず、孤独に向き合う必要があるのかもしれません。

今回のkotobaの特集では「孤独」に様々な面からせまってみました。

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ブッダ、アルベール・カミュ、エドガー・アラン・ポー、サン=テグジュペリ、ニーチェ、永井荷風など、古今東西の思想家、作家たちが、孤独とどう向き合い、独自の思索世界を展開してきたのか? 

また、独自の孤独論を展開する、下重暁子齋藤孝岸惠子、田中慎弥を始めとする、作家各氏にも、孤独との付き合い方について自身の考えを忌憚なく語っていただきました。

加えて、孤独をテーマにマンガを書き続けてきたつげ義春先生の1967年の名作『海辺の叙景』も掲載します。発表されてから50年経過した作品ですが、孤独な登場人物たちの醸し出す人情の機微は、じわじわと胸の深いところにしみ入っていきます。

編集し終えて思うのは、生活の中で、わずかでもいいから「孤独の時間」を作ってみる必要性です。孤独になることは怖いことかもしれません。しかし、孤独にならなければ得ることのできない力、そして自由というものがあるはず――そんなことを考えさせられました。

また、本号から、ノンフィクションライターの柳橋閑さんによる新連載「水を運ぶ人~スタジオジブリ証言録~」が始まります。宮崎駿、高畑勲、鈴木敏夫の各氏について、これまでジブリに関わってきた個性的なバイプレーヤーたちが「証言」をしていきます。第一回目は、スタジオジブリ代表取締役社長の中島清文氏が登場。創作集団としてではなく、会社としてしてのジブリの内幕が語られ、とても興味深い内容になっています。すぐに次回が読みたくなります!

集英社クオータリー「kotoba(コトバ)」2019年号は12月6日(木)発売です。

ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。

「kotoba」編集長 佐藤信夫

「kotoba(コトバ)」2018年秋号は創刊以来初の写真特集!

来たる9月6日(木)、集英社クオータリー「kotoba(コトバ)」2018年秋号が発売されます。

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今号は、創刊8年、33号目にして初めての写真特集です。

デジタルカメラが一般化して以来、写真技術は急速に発達し、いまやスマホでも数千万画素数の写真を撮ることができます。その便利な機能のおかげで、いつでもどこでも気軽に写真を撮れるようになった反面、SNS等を通して、プロ・個人に関係なく、写真が一人歩きし、騒動が持ち上がることもあります。

現代社会は、写真のもつ「危うさ」が先鋭化しているといってもいいかもしれません。そのような状況をふまえて、今回の特集では、第一線で活躍する写真家、作家などに写真の本質にせまっていただきました。

篠山紀信、藤原新也、野町和嘉、小林紀晴、中条省平、ピーター・バラカン、永江朗、マーク・ピーターセン、広瀬隆、黒沢清などの写真家・作家の諸氏が、様々な角度から、写真を読み解いていきます。

さらに、今回の特集では、初の実用写真技術ダゲレオタイプと、坂本龍馬の重厚な肖像写真で知られる湿板写真も大きくフィーチャーしました。
特に表紙は、その湿板写真によるビートたけしさんのポートレートです。15分でたった1枚しか撮影できないという技術的な制約と、酷暑という状況の中で(詳しくは本誌で)、たけしさんは、撮影に全面的に協力してくださいました。
私自身、湿板写真というものについてこれまでまったく知らず、その複製不可能のプロセスと仕上がりには驚かされました。

また、今号は第16回開高健ノンフィクション賞の発表号でもあります。受賞作の『空をゆく巨人』の発売は11月26日ですが、今号では、一足お先に著者の川内有緒さんのインタビューを掲載します。
同作は、中国出身の世界的現代美術家・蔡国強さんと、福島県いわき市の会社経営者・志賀忠重さんとの30年にわたる交流を描く力作です。東日本大震災の翌年につくられた「いわき回廊美術館」、9万9000本の桜の木を250年かけて植樹する「いわき万本桜プロジェクト」など、日本を舞台に展開する壮大な芸術プロジェクトを川内さんが丹念に追っています。

『kotoba』秋号は、通常号より「カラーページ32ページ増」で写真の世界にせまります。ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。

「kotoba」編集長 佐藤信夫

kotoba 2018年夏号の特集は「日記を読む、日記を書く。」です!

来たる6月6日(水)、集英社クオータリー「kotoba(コトバ)」2018年夏号が発売されます。

今号の巻頭特集はずばり、「日記」です。

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自分の周りで日記を書いている人はいますか? ペンを握って物を書くという機会が減っている今、日記帳やノートに日常を記録する人は少なくなっているかもしれません。しかし、ブログやツィッターなどの普及により、知らず知らずのうちに、日記的なものを書いている人は今や何百万人にも及ぶはずです。

つまり、日記、そして「擬似日記行為」には、依然としてあらがえない魅力があるのでしょう。

今回、この特集を編むにあたり、様々な日記に出会いました。日記文学の最高傑作と評される『断腸亭日乗』の永井荷風をはじめとして、夏目漱石の『ロンドン日記』、南方熊楠とその妻の未公開日記、絵本作家かこさとしの戦中絵日記、湯川秀樹が原爆について綴った日記、愛人との日々をつづったアナイス・ニンの性愛日記……ひとくちに日記といっても様々なスタイルがあることにあらためて驚きました。また、作家の想像力を刺激する、『アンネの日記』の魅力も再認識しました。

そういった古典的な日記や市井の人の日記について、林望、奥本大三郎、鹿島茂、中島岳志、小森陽一、穂村弘などの先生方が、様々な角度から縦横無尽に論じています。その中でも、少年のころから日記をつけてきた、みうらじゅんさんの日記論は、抱腹絶倒の内容でした。自分の恥ずかしい部分までさらけ出し笑わせるという、みうらさん一流の読者サービスに満ちた記事ですが、日記だけでなく、創作、想像力についての本質にせまった深い内容です。必読です。

今回本誌を制作中、かこさとし先生が5月2日に亡くなりました。また、スペシャル記事として、ジブリ美術館の新館長にお話を聞きましたが、奇しくも、4月5日にスタジオジブリの高畑勲監督がこの世を去りました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

日記について徹底的にせまった「kotoba」夏号。ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。

「kotoba」編集長 佐藤信夫

「kotoba コトバ」ブレードランナー特集号、発売のお知らせ

来たる3月6日(火)、集英社クオータリー「kotoba(コトバ)」2018年春号が発売されます。

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今号の巻頭特集は、「ブレードランナー2019-2049」です。
1982年に公開され、カルト的な人気を得た「ブレードランナー」と、その続編として昨年公開された「ブレードランナー2049」、その間を繋ぐ3つの短編映画。さらにフィリップ・K・ディックの原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』をテーマに、これらの作品の根底にある問い、「人間とは何か?」について、様々な角度から迫りました。

思想家の内田樹、アニメーション監督の渡辺信一郎、漫画家の荒木飛呂彦、人工知能学者の松原仁、政治学者の藤原帰一……。「ブレードランナー」に深く関わり、また愛してきた面々が、それぞれ専門分野の視点から、この伝説的な映画の核心について熱く語ってくれました。
圧巻は、前作と「2049」の双方の脚本を担当したハンプトン・ファンチャーの単独インタビューです。今まで「ブレードランナー」について議論され、あるいは伝説として語られてきた数々の疑問に答えてくれました。これは、「ブレードランナー」の歴史に新たなページを付け加えたインタビューと言っても過言ではありません。
 
皆さんは、「デッカードはレプリカントでしょうか」などという無粋な質問に、ファンチャーが何と答えたと思いますか? 当意即妙の受け答えは、どうか「kotoba」でお読みください。

また、フィリップ・K・ディックの短編小説で文庫本未収録の「彼女が望んだ世界」も大森望の新訳でお届けします。
「ブレードランナー」と「ブレードランナー2049」にご興味ある方には、間違いなく永久保存版となる「kotoba」春号。ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。

「kotoba」編集長 田中伊織

「kotoba コトバ」2018年冬号発売のお知らせ

来たる12月6日(水)、集英社クオータリー「kotoba(コトバ)」2018年冬号が発売されます。

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今号の巻頭特集は、「中世・近世史を読む」です。
中世を扱った新書が話題になるなど、日本の歴史が再び脚光を浴びています。
未来の読めない日本の混沌が、過去に学ぼうとする人たちを増やしているのかもしれません。
特集では、研究者、作家、歴史通の方々に「ご自身が歴史に興味をもつきっかけとなった本」「ご自身の専門分野で最も推薦できる本」、全130冊の歴史書を紹介していただきました。
ご登場いただいたのは、山本博文、清水克行、亀田俊和、黒田日出男、桜井英治(敬称略)などの学者・研究者、和田竜、山本一力、葉室麟、冲方丁といった今最も脂の乗っている歴史・時代小説の作家、そして、出口治明、春風亭昇太、德川家広などの歴史通、総勢21人の歴史のプロフェッショナルたちです。
彼らがそれぞれの本を選んだ理由には、人が歴史をどう読み、それをどう活かしていくのか、歴史に真剣に対峙する思いが込められています。
歴史書は、読めば読むほど、細部にこだわればこだわるほど、ますます深く知りたくなるものです。今号の「kotoba」のブックリストをご参考に、この冬は歴史書、史伝、歴史小説の読書三昧というのは如何でしょうか。

歴史への入り口はさまざまですが、まずは「kotoba」冬号、ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。

「kotoba」編集長 田中伊織

「kotoba コトバ」新装刊号(2017年秋号)発売のお知らせ

9月6日(水)、集英社クオータリー「kotoba」2017年秋号が発売されます。

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おかげさまで弊紙は今号で創刊7周年を迎えることができました。これを機に、読者をさらに深い読書体験に誘いたい、それができる新しい雑誌をつくりたい、という決意を新たにしました。
kotobaは、タイトルロゴ、デザイン、用紙に至るまで一新し、新装刊号として再出発します。新たにアートディレクションをお願いした峯崎ノリテルさんは、風呂に入るとシャンプー裏の説明書きまで読んでしまうという活字中毒=読書好きです。峯崎さんと二人でスタジオというデザイン会社を立ち上げた正能幸介さんも連載ひとつひとつのタイトルロゴを何回もつくり直してくれました。

読書家の人たちが常に書棚に置きたくなるような季刊誌でありたい。その思いを込め、特集は「わが理想の本棚」としました。作家、研究者、書評家、書店の方々など、いわば本のプロフェッショナルたちに、ずっと手元に置いておきたくなるような、こだわりの本を選んでいただきました。
今まで明かすことのなかった、少年から青年時代にかけての愛読書10冊を挙げてくださった池上彰さん。海を渡った日本人たちを描いた、とっておきの10冊を選んでくださった池澤夏樹さん、自身をアフリカに、そして霊長類学・人類学に導いた本を自らの半生と重ね合わせた山極寿一さん、「捨てる女」が最後まで捨てられない10冊、という編集部のリクエストに応えてくれた内澤旬子さん、古今東西のミステリー独立短編集を選んでくださった米澤穂信さん・・・・・・。まだまだ続きますが、それぞれ考え抜いた「理想の本棚」を皆さんにつくっていただきました。10冊のリストが届くたびに、編集部でも、こんな面白そうな本があったのか、と驚きの声が上がりました。
保証します。きっとあなたが読みたくなる本が見つかるはずです。

編集部の机の上は、それぞれの方が選んだ本の山がいくつもできました。中でも、豊崎由美さんが選んだ分厚いメガノベル10冊の巨大な山は、あたりの風景を圧倒し、編集者たちの読書欲をかきたてています。

「読むと書店に行きたくなる」、それが新装刊号のキャッチフレーズです。
読みどころ満載のkotoba新装刊号、ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。

「kotoba」編集長 田中伊織

「kotoba コトバ」2017年夏号 発売のお知らせ

今回の『kotoba コトバ』の特集は、「大人のための『ファーブル昆虫記』」です。

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『ファーブル昆虫記』というと、少年が読むものというイメージがありますが、完訳版は大人が読むべき博物学の名著です。ダーウィンの進化論に対する徹底的な反駁のほか、生物の多様性や神秘性を再発見する、驚きに満ちた内容。今回は、フランス文学者で『完訳ファーブル昆虫記』(集英社)の翻訳者・奥本大三郎さんの監修のもと、この大著を特集しました。

巻頭言では、『昆虫記』が書かれた経緯とその内容について奥本さんが解説してくださっています。

「彼はフィールドノートを取り、長い間構想を練って、昆虫そのものと、それを観察している自分という人間の心の動きを描写している。(中略)そこに数学の想い出だとか、息子の死の悲しみだとか、自分の育った南仏ルーエルグ地方の農民の生活だとか、自伝的、人間的、風土的要素を含む文章まで差し挟んでいるのである」。

そう、『ファーブル昆虫記』に綴られていることは、昆虫の話のみに留まらないのです。

パート1「ファーブルと進化論」では、生物学者・福岡伸一さんが、現在の進化論だけでは説明しきれないものが自然の中には満ち溢れていると主張。「私たちはしばしば自分が想定した仮説やモデルやメカニズムに固執し、その前提に囚われるあまり、自然のほんとうの姿を見失いがちになる」と警告されています。

パート2「ファーブルから学んだ」では、昆虫学者・丸山宗利さんが、「ファーブルと多様性」について、ご自身が研究されている昆虫分類学をもとに紹介。「「種の多様性」「生態系の多様性」「遺伝子の多様性」はいずれも生物の多様性を知るうえで重要なものであるが、『昆虫記』はすべてに関して重要な情報と示唆を含んでいる」と称えています。

パート3「ファーブルの時代」にご寄稿いただいたのは、フランス文学者の鹿島茂さん。教養こそが社会的地位を上層させるための唯一の武器とされていた19世紀は、伝統的社会から近代社会へ移行しつつあった時代です。当時のフランスの文化的・教育的背景について、鹿島さんに解説していただきました。

この他にも、ファーブルがつないだ日本のハチ学や糞虫研究、ダーウィンとファーブルの往復書簡など、偉大なる昆虫学者の知られざる一面に光を当てた読み応えのある記事がそろいました。

ぜひ書店で手に取ってご覧ください。

「kotoba コトバ」2017年春号発売のお知らせ

今回の『kotoba コトバ』の特集は
「このノンフィクションが凄い!」です。

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パート1「聞く」の巻頭は、沢木耕太郎さんと梯久美子さんの「作家の妻」をめぐる二つの物語対談。この対談は、沢木さんの「近年のノンフィクションのなかで凄いと思えるのは『狂うひと』だ」という一言から実現しました。沢木さんの『檀』と梯さんの『狂うひと』。家庭が崩壊した作家の妻の評伝という共通項がありながら、この二作はすべて異なる趣があります。対談では、お二人が創作にまつわる興味深いエピソードを披露してくださっています。
世界的人気のジョン・クラカワーへのインタビューでは、新作の『ミズーラ』や『荒野へ』といった作品への想い、ジャーナリストになった動機、彼の巧みな語り口に関するライティング方法などが明かされます。

パート2「読む」では、「凄い!」をテーマに、ノンフィクションに詳しい作家や評論家、学者、書店員ら総勢20人が名作、傑作を紹介してくれます。
政治学者の中島岳志さんは、自身の作品をノンフィクション的な手法で書くうえで参考にされた作品(猪瀬直樹著『ミカドの肖像』、沢木耕太郎著『テロルの決算』)と、学校の授業で学生たちに推薦されている作品(森達也著『放送禁止歌』)を。
評論家の荻上チキさんは、「優れたノンフィクション作品は、僕らの世界や社会に対する認識をリニューアルしてくれる」とし、山本譲司著『累犯障害者』、森光子著『吉原花魁日記』、堀川惠子著『原爆供養塔』を。

ライターの武田砂鉄さんは、この時代への警鐘になりうる30年ほど前の「声を拾い上げることの切実さを教えてくれる」作品(大泉実成著『説得』、中村梧郎著『母は枯葉剤を浴びた』、徳永進著『隔離』)を。

他にも、これは読んでみたいと思うような“凄い”ノンフィクションが詰まった特集になりました。

ぜひ書店で手に取ってご覧ください。

「kotoba コトバ」2017年冬号 発売のお知らせ

12月6日(火)、集英社クオータリー『kotoba コトバ』 2017年冬号 が発売になります。

今回の巻頭特集は

蒐集家の悦楽

ヒトラーから柳家小さんまで
知られざるコレクションの数々

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みなさんは何かを集めた経験はありませんか?
カードや切手、古銭、食器、絵画、骨董品……。

他人には興味のないものでも、本人にとっては宝物。
興味の対象は人それぞれです。

巻頭言は荒俣宏さんの「蒐集家の生き様」と小林康夫さんの「ベンヤミンの蒐集」について。

パート1は「なぜ集めるのか」
奥本大三郎さんの昆虫標本やヒトラーの略奪美術品、ジョゼフ・コーネルの箱の中、植物収集の歴史などに迫ります。

パート2は「パブリックな収集」
「みんぱく」のコレクション収集法からヴァチカン教皇庁図書館のデジタル化、大名茶道具を集めた近代数寄者たちの話をご紹介します。

パート3は「個人の愉しみ」
鹿島茂さんが集める「独裁者グッズ」、ギレルモ・デル・トロ監督のコレクションの館、みうらじゅんさんの蒐集遍歴などをうかがいました。

ほかも盛りだくさん。
かなりマニアックな特集になりました。
蒐集家たちの悦楽の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょう。

「コトバ」編集長 松政治仁

★集英社クォータリー「kotoba」公式サイト