3月6日(火)に集英社クオータリー「kotoba コトバ」の2012年春号が発売になります。
春号の巻頭特集は「死を想う」です。

ちょうど一年前の東日本大震災では、人の死というものが何の予兆もなく訪れるものであること、偶然や運としか言いようのないもので左右されることに慄然としました。
このような天災だけではありません。
「死」はどんな人間も免れ得ないものであるにもかかわらず、その実態は、日常生活の惰性の中で見えにくいものとなっています。
今、日本に暮らす現代人にとって、現実の「死」とはどんなものなのでしょう。それは、われわれが理想と考える「死」とどれだけ隔たりがあるのでしょう。古来、宗教や哲学は、医療や科学は、「死」とどのように向かい合ってきたのでしょう。
「kotoba コトバ」では、考え得る限りさまざまな側面から、「死」の本質に迫ります。
まず、作家の辺見庸さんが巻頭言「死と滅亡のパンセ」で、震災によって破壊された故郷、石巻を歩きながら死と滅亡、戦後のニッポン社会について洞察しています。
昨年暮れに大腿骨頸部骨折で入院生活を送った永六輔さんのインタビュー「ほんとうの『大往生』とは」では、永さんが「死者と会う」というテーマで語っています。
また、加賀乙彦さん、島田裕巳さん、森達也さんらが、宗教と死をテーマに語り、山崎章郎さん、奥野修司さん、外山滋比古さんらが、「在宅死、満足死、(文字通りの)忙殺」など、理想の最期について論じています。
そして、「愛する人を失うということ」をテーマに保阪正康さん、斎藤環さん、香山リカさんらに原稿を寄せていただきました。
その他、夢枕獏さんは新連載対談「人間って何ですか?」で、脳研究者の池谷裕二さんをゲストに、「ヒトに自由意志はあるのか」について活発な意見を交わし、佐伯啓思さんの「民主主義というシステムの危うさ」、中野剛史さんの「TPPと大阪維新に物申す」は今まさに政治・言論のシステムが抱える問題について根源的な問題提起を行っています。
読みどころ満載の「kotoba」2012年春号、ぜひお近くの書店で手にとってみてください。
「kotoba」編集長 田中伊織