森達也さん『A3』、講談社ノンフィクション賞授賞式

9月5日(月)に、第33回講談社ノンフィクション賞の授賞式が東京會舘にて行われました。

弊社発行の『A3(エー・スリー)』で森達也さんが、『カニは横に歩く』(講談社刊)の角岡伸彦さんとともに受賞されました。

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会場には、入りきれないほどの人が集まりました(この会は、第27回講談社エッセイ賞、第27回講談社科学出版賞の合計三賞の授賞式なので、入りきれないほど人が集まるのは、当然かもしれません)。

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森さんは、「会場に来てから思い出した」のだそうですが、若い頃、東京會舘の厨房でアルバイトをしていたことがあって、厨房の陰からパーティーをちらりと眺めながら、「いつかは自分も、着飾って、あのパーティーに参加できるようになりたいなと思っていたんです」と、喜びを表現していました。

また、「これは、この席で言うべきことではないのかもしませんが」と、前置きしたうえで「脱カルト協会」が、講談社に対し、森さんの授賞について抗議していることに触れ、「これを機会に論争は大いにしたいです。抗議文も全部読みましたが、すべて反論できます。ただ、このことで講談社や選考委員の先生方にご迷惑をおかけしたことをお詫びします」と語られました。

少し長くなりますが、『g2』2011年9月号に掲載された選考委員の選評から、一部、引用させていただきます。

──とりわけ森達也『A3』はオウムの麻原裁判の異常さがテーマなので、「裁判なんかもうどうでもいい。麻原なんか早く死刑にしてしまえ」と思っている日本人のマジョリティからすでに相当に反撥を得ている。しかし、麻原裁判はあまりにも異常な展開をしており、それに異議を唱える論者が日本でほとんどこの著者ただひとりという状況はあまりに異常だ(立花隆氏)

──森達也氏の『A3』は、氏の他の作品にも共通する思い込みの強さと、しばしば牽強付会にも思える論理展開の粗さが、最後まで気になった。月刊誌の連載をそのまま単行本に移行させた構成にも、違和感が消えなかった。ただ、森氏のオウム報道における、人権に向き合う一貫した姿勢を評価することに異存はなく、授賞にことさら反対はしなかった(野村進氏)

「集大成のつもりで『A3』を書いた」と、ずっとおっしゃっていた森さん。それが、このような形で、ノンフィクションの大きな賞をもらったことは、版元の集英社インターナショナルとしても、とても嬉しいことです。

森さん、あらためておめでとうございます!
(TKD48)

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