2月26日(木)に「知のトレッキング叢書」最新刊『虫から始まる文明論』(奥本大三郎・著)が発売になります!
さきほど見本が届きました。
本書は、フランス文学者にして、NPO日本アンリ・ファーブル会理事長でもある “現代のファーブル” 奥本大三郎さんによる「虫の世界」と「人の世界」をつなぐ異色の文明論です。
文学者として、そして希代の昆虫愛好家として世界各国を巡るうち、奥本さんは世界の各地域ごとに虫や鳥の姿形や色彩に共通の傾向があり、しかもそれがその土地に住む人々が作り出すものと似ていることに気づいたといいます。
考えてみてください。
フランスや中国の庭園と、日本庭園はいかに違っていることか。そしてそれはフランス料理と中華料理、日本料理の盛りつけの違いにも共通する美意識であり、松花堂弁当や幕の内弁当、数百円のコンビニ弁当にさえ同じ「美」が潜んでいる……。
文芸、美術、宗教、風習などまで、あらゆる人間生活の表現に風土が深く関係しているのではないか――豊富な実例をもとに語られる奥本さんの『虫から始まる文明論』は、小さな虫や草花を見る目を、そして日本や世界の国々を見る目を変えてくれる楽しさに満ちています。
ゴホンツノカブトとタイの寺院の屋根の形状の類似、アグリアス蝶とベニコンゴウインコの色彩の共通点、南米の昆虫だけがもつメタリックな色彩の衝撃的な美しさ……奥本さんご自身が撮りためたものと、昆虫写真家・海野和男さんによる各国の貴重な写真で構成したカラー口絵も必見です!

奥本さんが20年以上にわたって構想してきた内容をまとめた渾身の一冊です。
どうぞよろしくお願いいたします。
担当M