おくらが深い! ―『くらもち花伝』番外編1

漫画家・くらもちふさこさん初の自伝&秘伝の書『くらもち花伝 メガネさんのひとりごと』好評発売中です!
公式Twitter(@kuramochikaden)でもご紹介していますが、当ブログでも、本書に掲載できなかったコンテンツを掲載していきたいと思います。
『くらもち花伝』番外編、どうぞお楽しみください。
くらもち花伝HP
*     *     *
『受験前にも通った錦友館』
1972年、高校2年生でデビューを果たし、『ガラスの仮面』の作者である美内すずえ先生のアシスタントもつとめたくらもち先生。高校卒業後はそのまままんが家になるつもりでしたが、ご両親から「大学受験だけでも受けてほしい」と説得され、高校3年の夏休みごろから美大受験のためにデッサン系の塾通いもはじめます。それでも編集部への持ち込みとアシスタント作業は継続していたんだそう。
当時の「別冊マーガレット」編集部では、投稿者やデビューしたてのまんが家たちが、放課後制服のまま原稿を持ち込むのが「日常茶飯事」。だからもちろん、投稿者同士も顔見知り。気の合う仲間同士でおやつをいただいたり、おしゃべりすることもあったとか。
さらに、編集部から歩いてすぐの場所には、名だたる巨匠がその宿帳に名を連ねた伝説のカンヅメ旅館「錦友館」が……。中でも美内先生は「錦友館」の常連中の常連でした。くらもち先生は、学校から制服のまま錦友館へ直行し、美内先生の原稿をお手伝いしていたと言います。ちなみに挨拶は「ただいま」だったそう。
それでも美大に現役合格され、高校3年生の夏には読み切り作品が本誌に掲載されています。授業、塾、アシスタントに自分の原稿……なかなかハードな高校3年生ライフです。
『アトムとマーブルチョコレート』
くらもち先生小学1年生の冬、1963年の1月から『鉄腕アトム』のテレビ放送が始まります。それと同時に、番組をスポンサードした明治製菓は、鉄腕アトムのイラストがあしらわれたマーブルチョコレートを発売。番組の人気とともに、マーブルチョコレートも爆発的ヒットを飛ばします。
テレビっ子だったくらもち先生もアニメ『鉄腕アトム』に心を打たれ、その影響から「まんが雑誌」を定期購読するようになるのですが……。もちろんこの「マーブルチョコのシール」にも夢中になり、タンスに貼り付けて遊んでいたそう。さらにくらもち家には、このシール付きのタンスがいまだに保存されているのだとか。
コーラス1996年12月号に掲載された短編『パラパラ』では、子どもたちが東京タワーの模型を組み立て、夢の超特急・新幹線に心をときめかせながら、テレビのある生活にあこがれる様子が描かれています。なんだか当時のくらもち先生のような面影の女の子も登場しますよ。

(文=花田身知子)

・おくらが深い! ―『くらもち花伝』番外編2