『BAR物語』が発売になりました

『BAR物語』が4月5日に発売になりました。
著者は「ウイスキーヴォイス」というサントリーウイスキーPR誌で創刊以来、編集長をつとめている川畑弘さん。
取材でおとずれた全国の名店や名バーテンダーさんとのさまざまなエピソードが綴られています。
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例えば、あるバーテンダーが一杯のグラスにかける情熱とこだわりが、こんな風に描写されています。

大きめのグラスにかち割り氷を二つ入れ、少量のウイスキーを注ぎ、ステアする。ステアとは、かき混ぜることで、道具はバースプーンと呼ばれる柄の長いスプーンを用いる。クルクルと何度もステアするうちに、氷の表面は溶け出して、嵩が減る。減った分の氷を足して、さらにステアを続けると、ウイスキーは、氷から溶け出した氷の水と馴染みながら、ほどよく冷える。そこへ水を加えて、丁寧なステアを繰り返すと、ウイスキーの香りがふわりと立ち上がり、薄めの水割りが完成する。
「ああ、旨い」
常連客の満足げな顔。
水割りは、たとえ薄めにつくろうとも、ウイスキーが本来そなえている味わいを生かすことが出来るのだ。そして、その一杯がつくられる過程では、バーテンダーの思いまでもが味となる。
               (Ⅱ 子育て、人育て 「二人の師匠」より)

ウイスキーや、そもそもお酒自体が苦手という方もいらっしゃるかもしれませんが、良いバーかどうかはむしろノンアルコールのカクテルを頼んだ時の対応で分かるそうです。

巻末には本文で紹介しているバーの店舗情報と地図も掲載。東京だけでなく北海道から沖縄まで43のお店を紹介していますので、気になったバーがあれば、ぜひ実際に訪れてみてください。

最終章では開高健行きつけの赤坂の老舗バーでのエピソードをご紹介しています。開高が語った「いいバーの条件とは何ぞや?」という問いへの答えには、どんな仕事にも必要不可欠な《共感》というものへの大きなヒントがあるように思いました。
開高健がなんと答えたか、ぜひ手に取って確かめてみてください。