
1945年の沖縄戦。
軍人、民間人合わせて日米20万人が犠牲となりました。
目の前で、両親や兄弟姉妹が殺されて孤児になった人々もたくさんいました。
戦後、65年たった2010年6月、コザ孤児院が初めて「慰霊祭」を開き、当時収容された戦争孤児の方々が、集まりました。
戦火を生き残り、戦後も必死に生き抜いてきた孤児たちの多くは、これまで家族や友人にも、自身の体験を語ることがありませんでした。
ところが、そんな孤児たちが、これまで封印していた自らの戦争体験を、家族にも伝えなかった悲惨な体験を、最近になって重い口を開いて、話しはじめました。
ほとんどが70代となった孤児たちが、「どうしても今、語らなければならないことがある」と、感じ始めたからです。
中には、本当に戦争体験の記憶を失っていて、最近になって子ども時代の悲惨な体験を心の傷とともに思い出したという人もいます。心に受けた傷から、後遺症に今も苦しんでいる人もいます。
米兵による島民のレイプ、普天間基地問題、オスプレイの強行配備……。
沖縄を人身御供として米軍に提供し、見返りに平和と安定、経済繁栄を満喫してきたという構図がいまだに変わっていません。
天涯孤独の戦争孤児、「集団自決」の生き残り……彼らが語る「戦場」は、沖縄では誰もが知っている話。だが、本土の人間たちには、ほとんど伝わってこなかった。
大ヒットの前作、『沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史』に続く、沖縄戦後史探究第2弾!
悲しみも超越する童たちの戦争体験を、ノンフィクション作家・佐野眞一さんが、丹念に追いました。
『僕の島は戦場だった 封印された沖縄戦の記憶』、5月15日(水)発売です。
佐野ノンフィクションの神髄、ご堪能ください。
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