集英社クオータリー「kotoba」創刊のご挨拶

top_cover_img 集英社インターナショナルが編集した雑誌、集英社クオータリー「kotoba」が9月6日に創刊されました。

これは集英社新書編集部、学芸編集部、第五編集部(主に男性誌を編集)などと共同で、今まで定期掲載する媒体がなかったノンフィクションやドキュメント、自然科学や社会科学などのアカデミズムの記事を掲載する雑誌を作ろうという主旨で生まれた季刊誌です。

全般的に雑誌の売り上げが下がっているこの時代に、なぜ新しい雑誌を創刊するの?
という素朴な疑問を想定して、創刊号の巻頭言として以下のような文章を載せました。


はじめにコトバありき。

インターネットの進化や電子書籍の台頭など情報環境の発展著しい今日、
最新のコミュニケーション技術やシステムの性能ばかりに
目を奪われていないでしょうか。
どんなメッセージや情報も、伝えるべき中身が空疎であれば
人の心を動かすことはできません。
私たちはノンフィクションやドキュメント、
自然科学や社会科学などのアカデミズム、
そして何より出版の基本に立ち返り、
本当に伝えるべき価値あるコトバを、
きちんと伝えていく雑誌を創刊することにしました。
扱うのは、小説・フィクション以外のすべてのもの。
人間の呼吸に一定のリズムがあるように、
「読む」という行為にもその生理にふさわしいリズムがあると思います。
集英社クオータリー「kotoba」は、年4回発行の季刊誌です。


決してインターネットとか電子書籍を忌避しているわけではありません。
むしろこれらの出現で従来は書籍として採算が取れないことを理由に絶版になったり日の目を見なかった文章へのアクセスが容易になり、出版文化に良い作用を及ぼす点も多いと思います。

ただ、紙の書籍、雑誌のもつ質感、それを手に取りページを繰り、読書した体験そのものの質感は、電子書籍のそれと大きく違いがあることは明白です。

ただ、ニーチェやマルクスやドストエフスキーやバルザックを、やはり紙の本で読みたいと思う人は多いのではないでしょうか。

「kotoba」の読者は、活字文化を洗礼を受け、今後も活字文化を担っていく、知的好奇心と社会参加意識の高い50〜60歳代の男性読者を中心に考えています。
創刊号の特集テーマは、「生物多様性はなぜ必要なのか」。

10月に名古屋で開催される「生物多様性条約第10回締約国会議」(COP10)を前にして、いま最も注目される「生物多様性」という言葉をキーワードに、生物だけではなく、人間の言葉の多様性やそれが作った文化の多様性にまで話を押し広げ、多様性そのものの意味を掘り下げます。

その他、「多様性を考える言論誌」をキャッチフレーズに、多様な執筆者と多様なテーマで、今まさに読みたいテーマを取り上げていこうと考えています。
詳しい内容は、「kotoba」ホームページをご覧になって下さい。

「kotoba」編集長 田中伊織

集英社クオータリー「kotoba」創刊のご挨拶” への1件のフィードバック

  1. 田中伊織さま
    セブンシーズでお世話になりました徳本です。憶えていらっしゃいますか。
    ことばのコンセプト共感致しております。先日新聞で岩手の手書き新聞の
    ニュースを読み、アメリカからも絶賛のコメントがありました。私も手書き
    にこだわり同人誌をコツコツ書いております。また河口慧海のチベット旅行記は、私のバイブルです。パソコン始めたばかりです。ご活躍お祈り致しており
    ます。徳本浩通

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