なぜ「あの事件」から目をそむけるのか?

歴史は上書きされ、改竄される。無自覚に……。ドキュメンタリー映画の名作『A』『A2』の作者が放つ、待望の第3弾!新しい視座で「オウム」と「麻原彰晃」、そして「日本人」の本質に迫る!『月刊PLAYBOY』に3年間にわたって連載された問題作、待望の単行本化!

「A3」森達也・著・定価:¥1,995-(税込)・判型:四六判ソフトカバー/536ページ・発行:集英社インターナショナル(発売:集英社)・ISBN:978-4-7976-7165-0・2010年11月26日(金)発売! 『A3』本のご予約・ご購入はこちらから

─ 何か変だよな。おそらく誰もがそう思っている。でも抗えない ─

多くの謎と副作用ばかりをこの社会に残しながら、急激に風化されつつある一連の「オウム事件」。何も解明されないまま、教祖と幹部信者たちの死刑は確定した──。麻原彰晃の足跡を、新しい視点からもう一度辿る。そこに浮かび上がってくるのは、現代日本の深層。史上最凶最悪と言われた一連のオウム事件から15年。今では「教祖」と「幹部信者」たちの死刑が確定し、事件に対する驚くほどの無関心と拒絶反応が、日本社会を覆っている。事件の構造や真相を解明することよりも、一刻も早くオウムを消滅させることをこの社会は強く望んでいる。これを一言にすれば、「何でもいいから早く吊るせ」ということになる。でも…… あなたには知ってほしい。立ち止まって振り返ってほしい。ここまでの足跡を確認してほしい。目を凝らせばきっと見えてくるはずだ。そして思い出してほしい。考えてほしい。あの事件はなぜ、どのように起きたのか。彼と事件によって、この社会はどのように変わったのか。現在はどのように変わりつつあるのか。彼とはいったい、何ものであったのか。何を思い、何を願い、何をしようとしていたのかを……。

※本書は、『月刊PLAYBOY』2005年2月号から2007年10月号まで32回にわたって連載された
「A3 麻原彰晃への新しい視点」をもとに、著者が大幅加筆修正を施したものです。

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プロフィール

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森 達也(もり・たつや)
1956年、広島県呉市生まれ。テレビ番組制作会社を経て独立。
98年、オウム真理教を描いたドキュメンタリー映画『A』を公開。
2001年、続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。現在は執筆が中心。著書に、『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』『職業欄はエスパー』(角川文庫)、『A2』(現代書館)、『ご臨終メディア』(集英社)、『死刑』(朝日出版社)、『東京スタンピード』(毎日新聞社)、『マジョガリガリ(エフエム東京)、『神さまってなに?』(河出書房新社)、『死刑のある国ニッポン』(週刊金曜日)など多数。
 

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