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羽生善治が語る、棋士とAIの未来とは? 『AIに心は宿るのか』本日発売

2018年2月7日

芸術を愛でる心、そして新たな芸術を生み出す心は、地球上で人類のみが有する稀有な能力のひとつでしょう。しかし、近年AIは、作家のように破綻のない物語を創作し、将棋や囲碁のトップ棋士を驚嘆させるほどの「新手」(それまで指されなかった新たな指し手)を生み出すまでに飛躍的な進歩を遂げました。

汎用AIの研究を30年以上にわたって続けてきた松原仁先生は、そんなAIの活躍を目にするたびに、歓喜すると同時に、嫉妬にも似た「悔しさ」を覚えるのだと言います。

この悔しさの正体は一体何なのか?
そして、「人の似姿」であるAIが社会に進出したとき、私たちの日常はいかに変容していくのか?

本書では、AIという映し鏡を通して、未だ解明されない「人の心」を探求していきます。

「めまぐるしく更新されてゆく『テクノロジー』を題材にした本だからこそ、3年後には賞味期限が切れているような瞬間消費的なものにはしたくない」。これは、この本の制作中に私が一貫して抱いていた思いです。

本書が10年、20年と、長く、広く読み継がれていくことを願っています。

この本のゲラが出たのは、羽生先生が永世七冠の快挙を成し遂げた2日後の昨年12月7日。報道陣が殺到し、多忙を極めていらっしゃるであろうこの時期に、私は羽生先生へ「ゲラご確認のお願い」をしなければなりませんでした。
申し訳なさと心苦しさを感じながら、できる限り余裕をもったスケジュールを組んで「ご確認のお願い」のメールをお送りしたのが7日の午後20時。

「羽生先生は、おそらく今の日本で最も多忙を極める方。一週間、いや、10日はお返事をいただけないかもしれない。それでもじっくりとお待ちしよう。」

そう覚悟を決めた矢先でした。なんと、羽生先生はわずか数時間でゲラを確認し、お返事をくださったのです。
どれほど多忙を極め、拍手と喝采の轟音にさらされていようと、常に真摯に、誠実に、私たちと向き合ってくださる羽生先生の人としてのあり方に、ただただ心を打たれた夜でした。

本が一冊刊行されるまでには、著者やライター、校閲者、デザイナー、カメラマン……と大勢の方々の力を借りなければなりません。もちろん、この本も、著者の松原仁先生や構成を担当してくださったライターの森旭彦さんをはじめとして、大勢の関係者の手を経て形となりました。

松原先生や羽生先生の「思い」を、読者の皆さんがどのように受け止めるのか、とても楽しみです。少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ書店で手にとってご感想をお聞かせください。

『AIに心は宿るのか』、本日発売です。

担当:菊池