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「kotoba(コトバ)」2019年冬号は孤独特集です。

2018年11月27日

「孤独な者よ、君が歩むのは、創造者の道だ」

これは、ドイツの哲学者ニーチェが『ツァラトゥストラ』に記した名言ですが、古くは、ギリシャ/ローマの哲学者から、現代の作家たちまで、様々な分野の人たちが「孤独」について数え切れないほど多くの言葉を残してきました。

人は、ときには、ひとりを恐れず、孤独に向き合う必要があるのかもしれません。

今回のkotobaの特集では「孤独」に様々な面からせまってみました。

kotoba cover B

ブッダ、アルベール・カミュ、エドガー・アラン・ポー、サン=テグジュペリ、ニーチェ、永井荷風など、古今東西の思想家、作家たちが、孤独とどう向き合い、独自の思索世界を展開してきたのか? 

また、独自の孤独論を展開する、下重暁子齋藤孝岸惠子、田中慎弥を始めとする、作家各氏にも、孤独との付き合い方について自身の考えを忌憚なく語っていただきました。

加えて、孤独をテーマにマンガを書き続けてきたつげ義春先生の1967年の名作『海辺の叙景』も掲載します。発表されてから50年経過した作品ですが、孤独な登場人物たちの醸し出す人情の機微は、じわじわと胸の深いところにしみ入っていきます。

編集し終えて思うのは、生活の中で、わずかでもいいから「孤独の時間」を作ってみる必要性です。孤独になることは怖いことかもしれません。しかし、孤独にならなければ得ることのできない力、そして自由というものがあるはず――そんなことを考えさせられました。

また、本号から、ノンフィクションライターの柳橋閑さんによる新連載「水を運ぶ人~スタジオジブリ証言録~」が始まります。宮崎駿、高畑勲、鈴木敏夫の各氏について、これまでジブリに関わってきた個性的なバイプレーヤーたちが「証言」をしていきます。第一回目は、スタジオジブリ代表取締役社長の中島清文氏が登場。創作集団としてではなく、会社としてしてのジブリの内幕が語られ、とても興味深い内容になっています。すぐに次回が読みたくなります!

集英社クオータリー「kotoba(コトバ)」2019年号は12月6日(木)発売です。

ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。

「kotoba」編集長 佐藤信夫

kotoba 2018年夏号の特集は「日記を読む、日記を書く。」です!

2018年5月21日

来たる6月6日(水)、集英社クオータリー「kotoba(コトバ)」2018年夏号が発売されます。

今号の巻頭特集はずばり、「日記」です。

kotoba No 32

自分の周りで日記を書いている人はいますか? ペンを握って物を書くという機会が減っている今、日記帳やノートに日常を記録する人は少なくなっているかもしれません。しかし、ブログやツィッターなどの普及により、知らず知らずのうちに、日記的なものを書いている人は今や何百万人にも及ぶはずです。

つまり、日記、そして「擬似日記行為」には、依然としてあらがえない魅力があるのでしょう。

今回、この特集を編むにあたり、様々な日記に出会いました。日記文学の最高傑作と評される『断腸亭日乗』の永井荷風をはじめとして、夏目漱石の『ロンドン日記』、南方熊楠とその妻の未公開日記、絵本作家かこさとしの戦中絵日記、湯川秀樹が原爆について綴った日記、愛人との日々をつづったアナイス・ニンの性愛日記……ひとくちに日記といっても様々なスタイルがあることにあらためて驚きました。また、作家の想像力を刺激する、『アンネの日記』の魅力も再認識しました。

そういった古典的な日記や市井の人の日記について、林望、奥本大三郎、鹿島茂、中島岳志、小森陽一、穂村弘などの先生方が、様々な角度から縦横無尽に論じています。その中でも、少年のころから日記をつけてきた、みうらじゅんさんの日記論は、抱腹絶倒の内容でした。自分の恥ずかしい部分までさらけ出し笑わせるという、みうらさん一流の読者サービスに満ちた記事ですが、日記だけでなく、創作、想像力についての本質にせまった深い内容です。必読です。

今回本誌を制作中、かこさとし先生が5月2日に亡くなりました。また、スペシャル記事として、ジブリ美術館の新館長にお話を聞きましたが、奇しくも、4月5日にスタジオジブリの高畑勲監督がこの世を去りました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

日記について徹底的にせまった「kotoba」夏号。ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。

「kotoba」編集長 佐藤信夫