「kotoba(コトバ)」2019年春号は「日本人と英語」特集です。

2019年3月3日


今回のkotobaの特集テーマは、ずばり、「日本人と英語の関係」です。


kotoba cover


戦後に教育を受けた日本人のほとんどは、好き嫌いにかかわらず学校で英語を学んできました。21世紀になり、グローバリズムの波をまともに受ける私たちは、改革が繰り返される英語教育政策や、アグレッシブさを増す英語ビジネスに翻弄されつつあります。

こうした現状を踏まえ、私たちは一歩立ち止まり、日本における「英語受容の歴史」「英語との付き合い方」「英語の未来」について考えてみるべきだと考えました。

編集作業を続けていくなかで驚くべき事実にいくつか遭遇しました。

「明治維新前後に、英語を日本の国語にしようとする動きがあった」
「統計データによると、他国と比べて特別に日本人が英語が不得意というわけではない」
「英語の語彙に入った日本語は、ロシア語やアラビア語より多い」

など、目から鱗が落ちる話が続出し、日本における英語の存在の大きさに改めて気づかされると同時に、日本の行く末が少し心配になってきました(詳しくは本誌をお読みください)。

個人的に興味深かったのは、「英語などの外国語に頼らず、大学まで母語で高度な教育が行える国は、実はそれほど多くない」という事実です。

今、日本は、これまで日本語で行ってきた様々なことを英語で代用しようとしています。そこには、翻訳や通訳というエキスパートを通して、英語を日本の社会に柔軟に取り入れ、日本語を豊かにしてきた歴史を振り返る姿勢は希薄です。

今回本誌に登場していただいた、マーク・ピーターセン、ピーター・バラカン、鳥飼玖美子、斎藤兆史、金原瑞人を始めとする各氏は、日本語・日本人と英語の関係について、深い知見と洞察を提示してくれます。読み終えたとき、きっと「日本人と英語」のあるべき未来図が見えてくるはずです。

また、本号から、サイエンスライターの吉成真由美さんによる新連載「知の巨人たち」が始まります。世界の第一線で活躍する歴史学者、政治学者などにロング・インタビューを敢行するこの連載の第一回目に登場するのは、イェール大学の歴史学教授、ティモシー・スナイダー氏です。ホロコースト、ファシズムについての鋭い洞察に満ちた見解には思わず引き込まれます。ぜひご一読ください。

集英社クオータリー「kotoba(コトバ)」2019年春号は3月6日(水)発売です。ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。

kotoba編集長
佐藤信夫

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