『北極大異変』が発売になりました。

知のトレッキング叢書 『北極大異変』が発売になりました。

本書は、北極に35年以上通い続け、科学者と共に観測調査をし、先住民に取材をしてきたカナダ人ジャーナリストが、その成果のすべてをまとめたものです。

最近まで北極は単なる氷の塊と思われていました。

そのため、どの国も関心が低く、積極的に領土権を主張せず、環境を破壊する規模の開発を制限する国際法も、海に石油が流出した時の対処法も、考える必要もありませんでした。

ところが、地球温暖化による解氷で船が航行できるようになり、また、氷の下にあった「眠る大量の未発見資源」(石油、天然ガス、金属など)が掘削できるようになったことで状況が一変したのです。

ロシア、カナダ、アメリカなど北極圏に領土を持つ国だけではなく、中国や石油メジャー、そして日本もなりふり構わずむらがっているのが現状です。

巨大な利権が生まれたため、北極を守る条約の制定も困難になってしまっています。

上記のエネルギー問題、領土争いに加え、異常気象による自然災害の増加や生態系の変化、そして災害と生態系の破壊の影響を受け、文化を守ることができなくなった先住民たち……など、北極には地球規模の問題が山積しています。

著者は北極が抱える問題を、冷静な視点でリポートしています。

北極、そして地球の未来はどうなっていくのか?
全貌がわからない問題にどうやって対処すればいいのか?

大きすぎる問題ですが、「目の前で苦しむ人々や生物がいるのだから、対処する」という著者のリアリスティックな姿勢は、北米や北極圏問題に係わる人々に高く評価されています。

ぜひご一読いただけますと大変うれしく思います。

担当F

北極大異変
4月26日発売『北極大異変』

★知のトレッキング叢書