『ショコラ』著者、ジェラール・ノワリエルさんが東京、大阪で講演をいたします!

2017年6月9日

『ショコラ 歴史から去られたある黒人芸人の数奇な生涯』の著者、ジェラール・ノワリエルさんが来日! 東京、大阪で講演をいたします。

・6月13日(火)18: 00~は、アンスティテュ・フランセ東京(新宿区飯田橋)にて映画『ショコラ 君がいて、僕がいる』の上映会と、上映後ノワリエルさんの講演会。http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/cinema1706131800/

・6月14日(水)18:30~20:30は、日仏会館1Fホールにて講演会「歴史の社会的機能」。
http://www.mfj.gr.jp/agenda/2017/06/14/20170614noiriel/index_ja.php

・6月15日(木)18:30~20:30は、日仏会館501会議室にて人文社会系セミナー「19-20正規の歴史家たちのネーション観」
https://www.mfjtokyo.or.jp/events/course/20170615.html

・6月16日(金)18:30~21:00は、大阪市立大学 文化交流センター(大阪駅前第2ビル6階)にて講演会「フランスという坩堝は今」(連絡先:インターナショナルスクール事務局is_office@lit.osaka-cu.ac.jp )

ふるってご参加ください。

「kotoba コトバ」2017年夏号 発売のお知らせ

2017年6月6日

今回の『kotoba コトバ』の特集は、「大人のための『ファーブル昆虫記』」です。



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『ファーブル昆虫記』というと、少年が読むものというイメージがありますが、完訳版は大人が読むべき博物学の名著です。ダーウィンの進化論に対する徹底的な反駁のほか、生物の多様性や神秘性を再発見する、驚きに満ちた内容。今回は、フランス文学者で『完訳ファーブル昆虫記』(集英社)の翻訳者・奥本大三郎さんの監修のもと、この大著を特集しました。


巻頭言では、『昆虫記』が書かれた経緯とその内容について奥本さんが解説してくださっています。


「彼はフィールドノートを取り、長い間構想を練って、昆虫そのものと、それを観察している自分という人間の心の動きを描写している。(中略)そこに数学の想い出だとか、息子の死の悲しみだとか、自分の育った南仏ルーエルグ地方の農民の生活だとか、自伝的、人間的、風土的要素を含む文章まで差し挟んでいるのである」。


そう、『ファーブル昆虫記』に綴られていることは、昆虫の話のみに留まらないのです。


パート1「ファーブルと進化論」では、生物学者・福岡伸一さんが、現在の進化論だけでは説明しきれないものが自然の中には満ち溢れていると主張。「私たちはしばしば自分が想定した仮説やモデルやメカニズムに固執し、その前提に囚われるあまり、自然のほんとうの姿を見失いがちになる」と警告されています。


パート2「ファーブルから学んだ」では、昆虫学者・丸山宗利さんが、「ファーブルと多様性」について、ご自身が研究されている昆虫分類学をもとに紹介。「「種の多様性」「生態系の多様性」「遺伝子の多様性」はいずれも生物の多様性を知るうえで重要なものであるが、『昆虫記』はすべてに関して重要な情報と示唆を含んでいる」と称えています。


パート3「ファーブルの時代」にご寄稿いただいたのは、フランス文学者の鹿島茂さん。教養こそが社会的地位を上層させるための唯一の武器とされていた19世紀は、伝統的社会から近代社会へ移行しつつあった時代です。当時のフランスの文化的・教育的背景について、鹿島さんに解説していただきました。


この他にも、ファーブルがつないだ日本のハチ学や糞虫研究、ダーウィンとファーブルの往復書簡など、偉大なる昆虫学者の知られざる一面に光を当てた読み応えのある記事がそろいました。

ぜひ書店で手に取ってご覧ください。

『地図マニア 空想の旅』が第2回 斎藤茂太賞を受賞しました!

2017年6月5日

地図研究家・今尾恵介さん著『地図マニア 空想の旅』第2回斎藤茂太賞を受賞しました。


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斎藤茂太賞は、一般社団法人日本旅行作家協会が創立会長である故・斎藤茂太氏(作家・精神科医、1916~2006年)の功績をたたえると同時に、紀行・旅行記、旅に関するエッセイ及びノンフィクション分野の優れた著作を表彰するために2016年に創設した賞です。

下重暁子さん、椎名誠さん、芦原伸さん、種村国夫さんという錚々たる作家の方々が審査員を務めていらっしゃいます。


「地形図を見た途端に、等高線のとおりに地形が盛り上がってきます」


以前、著者の今尾さんとお話をした際、そのようにおっしゃっていました。

記号だらけの地形図を長年眺めては、その時代のその土地を研究してきた今尾さん。地形図を見ただけで今尾さんの脳内には鮮明な風景イメージが浮かび上がるようなのです。

地図を見ながら同時に空想で旅ができてしまうようなのです。


「旅」と「文学」といえば実際に身体を動かして、異国を旅し、そこでの危険なエピソードや、目に焼き付いて離れない美しい景色を文章で表現する、というイメージがあるかと存じますが、このたび受賞しました『地図マニア 空想の旅』におきましては、著者はいつもの仕事場から一歩も出ることなく、国内や海外諸国の景色を描写しています。

楽しかった旅の思い出を振り返るように、これからの旅や、二度と行けない過去への旅を地図と想像力で楽しんでいます。


そんな楽しい一冊ですが、本書を編集するにあたり様々な苦労がありました。

海外の図版の使用許可申請のために、すっかりご無沙汰していた英語との格闘や、四六判サイズでいかに地図を見やすくするか、本文に目を通していただいた読者にとって不親切な図版の位置になっていないか、等々。

本来ならば編集者の力の見せどころですが、今尾さんが地図から読み取って本文に書き込んだその情報量の多いこと。

いかにしてこれを掲載地図とリンクさせるか、ということに四六時中頭を悩ましていた次第です。今地図上のどこを旅しているのかを本文と合わせて明確にしながら、かつ地名や記号が消えないようにカコミ等を微調整。定規と鉛筆を握りしめての試行錯誤の日々。


書籍が完成し、多くの方々にお手に取っていただき、そしてこのたび、日本旅行作家協会を創立し、長らく会長を務めた斎藤茂太さんの名を冠する賞をいただけましたことは誠に光栄です。


まだお読みでいらっしゃらない方は是非この機会に書店にてお手に取って頂き、安楽椅子探偵もびっくりの空想紀行をお楽しみくださいませ。


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『食べて、育てる しあわせ野菜レシピ』が「グルマン世界料理本大賞」2017のグランプリを受賞しました!

2017年6月1日

大橋明子さん著『食べて、育てる しあわせ野菜レシピ』が「グルマン世界料理本大賞」2017のVegetarian部門でグランプリを受賞しました。Best illustrations部門でも2位を獲得というダブル受賞の快挙です。

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グルマン世界料理本大賞は、「料理本のアカデミー賞」とも言われる世界唯一の料理本の賞で、1995年にエドゥアール・コアントロー氏(リキュールで有名なコアントロー家出身)によって設立されました。今年で22回目となる今回の賞には世界211か国から全569作品がノミネートされました。

日本からは他に、日本料理の松本栄文さんの『1+1の和の料理 単純こそがおいしい理由』(NHK出版)がWorld Cuisine : Japanese賞、イタリアンの奥田政行さんの『食べもの時鑑』(フレーベル館)がCulinary Heritage賞、薬膳の谷口ももよさんの『5色の野菜でからだを整える ベジ薬膳』(キラジェンヌ)がDiet賞、日本サンドイッチ協会編『北欧生まれのおもてなしサンドイッチ ケーキイッチ』(パルコ出版)がSandwich賞のグランプリを受賞されています。

著者の大橋明子さんが5月27、28日に中国の煙台でおこなわれた受賞式に出席され、その様子をブログでご紹介されていますので、ぜひご覧ください。

イラストレーター大橋明子のブログ「グルマン世界料理本大賞でグランプリ受賞しました!」

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『食べて、育てる しあわせ野菜レシピ』好評発売中!!

詳細・試し読みはこちらから

担当M

『ショコラ』概要紹介⑤

2017年5月19日

『ショコラ 歴史から消し去られたある黒人芸人の数奇な生涯』の著者、1950年生まれのジェラール・ノワリエルは、フランス社会科学高等研究院教授で、フランスにおける移民史研究のパイオニア的存在です。

ロートレックによるショコラのデッサン(©BNF)

ロートレックによるショコラのデッサン(©BNF)


本書の冒頭で、「レイシズムを告発するよく聞く道徳的な台詞(せりふ)の羅列は避けたかった。そうした言葉はもはや大して役に立たないだろう。何か新しいアイディアが必要だった」と言い、そのために、ラファエルというひとりの黒人奴隷を見つけ、その生涯を綴った動機を述べています。

「フランス革命」からそれほど時間が経っていなかった当時のパリは、「人間は生まれながらにして、みな平等である」という世界で最も「人権」を尊重していた場所、のはずでした。

しかし実際には、この「人間」という概念に、黒人は含まれていなかったのでしょう。

黒人は「猿から人間へと進化する途中の動物」とあからさまに考える人がまだ多かった時代だったのです。

それを示す一例が、本書に出てくる「順化園」というパリの名所のひとつです。

ここはほぼ動物園と変わりのないものですが、当時、アフリカからある黒人民族を連れてきて、世にも珍しい動物として「展示」したのです。

「順化園」で「展示」された、いちアフリカ民族(©BNF)

「順化園」で「展示」された、いちアフリカ民族(©BNF)


おそらくこの「順化」とは、自分たち「白人」こそが動物たちをより進化させる責任と力を持つ、という意味だったにちがいありません。

つい一世紀前には、まだ私たち人間のなかに、そのような意識が強く残っていた状況下で、ラファエルは道化師の大スターとなった。

当然ながら、ラファエルの揺れ動く人生の根底に、白人たちの心から消すことのできない「差別意識」があったのです。



以上、5回にわたってご紹介してきました『ショコラ』、ぜひ映画とあわせてご覧いただければ幸いです。

担当IKM


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ショコラ



★本書が原案の映画『ショコラ 君がいて、僕がいる』公開中!


出演:オマール・シー、ジェームス・ティエレ
監督:ロジェディ・ゼム
(配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES)

『ショコラ』概要紹介④

2017年5月16日

『ショコラ 歴史から消し去られたある黒人芸人の数奇な生涯』概要、前回からのつづきです。

●不思議な運命と、白人の「差別」によって翻弄されたラファエルの人生④

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パリの小児病院に請われて何度も慰問に訪れた晩年のラファエル(©BNF)


ついにふたりがヌーヴォー・シルクから解雇される日が訪れます。相棒フティットはそのために精神が錯乱し、ふたりはついにコンビを解消することになります。

その後、ふたりは何度となくヌーヴォー・シルクから請われてコンビを再結成しますが、新しい時代の波には逆らえず、もはやかつてほどの人気を取り戻すことはできませんでした。

生涯の相棒と思っていたフティットとも別れ、その後、ラファエルはサーカス団をわたり歩く一方で、演劇の主役にもチャレンジしましたが、結果は大失敗に終わります。息子と娘のふたりの子供は成長して父の職を継ぎ、サーカスの世界に入って一家の生計を助けました。しかし、娘は19歳で病死してしまいます。

悲嘆にくれつつも、道化師として必死に生き続けたラファエルでしたが、やがて、地方巡業先の宿の一室で、ひとり死を迎えます。(次回につづく)

担当IKM



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出演:オマール・シー、ジェームス・ティエレ
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『BAR物語』が発売になりました

2017年4月5日

『BAR物語』が4月5日に発売になりました。

著者は「ウイスキーヴォイス」というサントリーウイスキーPR誌で創刊以来、編集長をつとめている川畑弘さん。

取材でおとずれた全国の名店や名バーテンダーさんとのさまざまなエピソードが綴られています。

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例えば、あるバーテンダーが一杯のグラスにかける情熱とこだわりが、こんな風に描写されています。


大きめのグラスにかち割り氷を二つ入れ、少量のウイスキーを注ぎ、ステアする。ステアとは、かき混ぜることで、道具はバースプーンと呼ばれる柄の長いスプーンを用いる。クルクルと何度もステアするうちに、氷の表面は溶け出して、嵩が減る。減った分の氷を足して、さらにステアを続けると、ウイスキーは、氷から溶け出した氷の水と馴染みながら、ほどよく冷える。そこへ水を加えて、丁寧なステアを繰り返すと、ウイスキーの香りがふわりと立ち上がり、薄めの水割りが完成する。

「ああ、旨い」

常連客の満足げな顔。

水割りは、たとえ薄めにつくろうとも、ウイスキーが本来そなえている味わいを生かすことが出来るのだ。そして、その一杯がつくられる過程では、バーテンダーの思いまでもが味となる。
               (Ⅱ 子育て、人育て 「二人の師匠」より)




ウイスキーや、そもそもお酒自体が苦手という方もいらっしゃるかもしれませんが、良いバーかどうかはむしろノンアルコールのカクテルを頼んだ時の対応で分かるそうです。


巻末には本文で紹介しているバーの店舗情報と地図も掲載。東京だけでなく北海道から沖縄まで43のお店を紹介していますので、気になったバーがあれば、ぜひ実際に訪れてみてください。


最終章では開高健行きつけの赤坂の老舗バーでのエピソードをご紹介しています。開高が語った「いいバーの条件とは何ぞや?」という問いへの答えには、どんな仕事にも必要不可欠な《共感》というものへの大きなヒントがあるように思いました。

開高健がなんと答えたか、ぜひ手に取って確かめてみてください。

『怪魚を釣る』小塚拓矢さんトークイベントのお知らせ

2017年4月3日

インターナショナル新書『怪魚を釣る』著者の小塚拓矢さんがトークイベントに登壇します。


*   *   *


怪魚ハンター×動物写真家トークイベント

『冒険を“仕事”にしよう!』


日時:2017年4月20日(木)19:30~21:30(開場19:00)


会場:LOFT9 Shibuya


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野生動物を追う写真家・山形豪さんと小塚さんが、これまでに訪れた土地での仰天エピソードや、仕事観に迫ります! 「冒険で食べていきたい」「好きなことを仕事にしたい」という方はぜひご参加ください!

↓詳細・お申し込みについてはLOFT9 ShibuyaのHPをご確認ください。

http://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft9/62135

「kotoba コトバ」2017年春号発売のお知らせ

2017年3月6日

今回の『kotoba コトバ』の特集は

「このノンフィクションが凄い!」です。


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パート1「聞く」の巻頭は、沢木耕太郎さんと梯久美子さんの「作家の妻」をめぐる二つの物語対談。この対談は、沢木さんの「近年のノンフィクションのなかで凄いと思えるのは『狂うひと』だ」という一言から実現しました。沢木さんの『檀』と梯さんの『狂うひと』。家庭が崩壊した作家の妻の評伝という共通項がありながら、この二作はすべて異なる趣があります。対談では、お二人が創作にまつわる興味深いエピソードを披露してくださっています。

世界的人気のジョン・クラカワーへのインタビューでは、新作の『ミズーラ』や『荒野へ』といった作品への想い、ジャーナリストになった動機、彼の巧みな語り口に関するライティング方法などが明かされます。



パート2「読む」では、「凄い!」をテーマに、ノンフィクションに詳しい作家や評論家、学者、書店員ら総勢20人が名作、傑作を紹介してくれます。
政治学者の中島岳志さんは、自身の作品をノンフィクション的な手法で書くうえで参考にされた作品(猪瀬直樹著『ミカドの肖像』、沢木耕太郎著『テロルの決算』)と、学校の授業で学生たちに推薦されている作品(森達也著『放送禁止歌』)を。

評論家の荻上チキさんは、「優れたノンフィクション作品は、僕らの世界や社会に対する認識をリニューアルしてくれる」とし、山本譲司著『累犯障害者』、森光子著『吉原花魁日記』、堀川惠子著『原爆供養塔』を。


ライターの武田砂鉄さんは、この時代への警鐘になりうる30年ほど前の「声を拾い上げることの切実さを教えてくれる」作品(大泉実成著『説得』、中村梧郎著『母は枯葉剤を浴びた』、徳永進著『隔離』)を。


他にも、これは読んでみたいと思うような“凄い”ノンフィクションが詰まった特集になりました。


ぜひ書店で手に取ってご覧ください。

『「心の除染」という虚構 除染先進都市はなぜ除染をやめたのか』(黒川祥子・著)本日発売です!

2017年2月24日

福島原発事故から6年、放射能汚染の恐怖の中で生きていくということは、どういうことなのか。

『「心の除染」という虚構 除染先進都市はなぜ除染をやめたのか』は、開高健ノンフィクション賞受賞の著者が、自身の故郷・福島県伊達市に生きる人々を追ったノンフィクションです。

除染先進都市を謳っていたのに、次第に放射能汚染を過小評価していく行政と、子どもたちを必至に守ろうとする市民……。原発事故が、人々の生活や心にどのような影響を与えていくかが、克明に描かれています。

この3月で、自主避難者への援助が打ち切られるなど、原発事故がなかったことのようにされかけている今、ぜひ、読んでいただきたい一冊です。


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